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失業保険とは?受給条件や支給額の計算方法、給付を受けるまでの流れを解説

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失業保険とは?受給条件や支給額の計算方法、給付を受けるまでの流れを解説
退職後に次の転職先が見つかっていないときは、失業保険の活用がおすすめです。受給条件を満たしている方なら、失業保険による経済的な支援を受けながら就職活動を行えます。

本記事では失業保険の概要や受給条件、支給額の計算方法などを解説します。失業保険の受給方法がよくわからない方、受給までの流れを把握したい方はぜひ参考にしてください。

失業保険は失業中にお金がもらえる制度のこと

失業保険とは、仕事を退職をした方が経済的な心配をせずに就職活動できるよう、失業中にお金を支給してくれる制度のことです。一定の条件を満たしていれば、退職後にハローワークで手続きをすることで原則1年間失業保険の給付を受けられます。

次の転職先が決まっていない状態で退職してしまうと経済的な不安が生じてしまいますが、失業保険に頼れば収入0の不安を解消したうえでじっくりと転職活動に集中できます。退職後すぐに転職先が見つからない方は、積極的に利用したい制度です。

なお、失業保険の正式名称は「雇用保険」ですが、一般的には「失業保険」や「失業手当」などと呼ばれるケースが多いです。

失業保険の受給条件

失業保険を受給するためには、下記の条件を満たしている必要があります。

● 「失業の状態」である
● 一定以上の被保険者期間がある

失業の状態とは、「就職する意思や就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態」を指します。

そのため、就職する意志がない方、または病気や怪我、出産などを理由に就職できない方は失業の状態とみなされず、失業保険を受給できません。

また、雇用保険に加入していた被保険者期間も失業保険を受給する条件のひとつです。一定以上の被保険者期間がない場合、失業保険の受給対象外となるので気をつけましょう。

なお、必要な被保険者期間は、退職理由や状況によって区分される「一般の離職者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」のどれに該当するかで異なります。以下では、失業者の区分ごとに受給に必要な被保険者期間を解説します。

一般の離職者

一般の離職者とは、自己都合で退職した方のことです。例としては、転職や独立、引越しなどを理由に退職するケースが該当します。基本的に自身の意思で退職した場合は、自己都合として扱われます。

一般の離職者が失業保険を受給するためには、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヵ月以上ある必要があります。

ちなみに、被保険者期間は賃金の支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算します。

特定受給資格者

特定受給資格者とは、会社の倒産や解雇などを理由に離職した方を指します。

特定受給資格者が失業保険を受給する条件は、「離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること」です。一般の離職者に比べると、必要な被保険者期間が短くなっています。

特定理由離職者

特定理由離職者とは、正当な理由で自己都合退職した方や労働契約の更新がなかったことを理由に離職した方のことです。主に下記のような理由で離職した方が特定理由離職者に該当します。

● 労働契約期間満了後に更新を希望したにもかかわらず、更新がされなかった
● 体力の不足や心身の不調
● 妊娠や出産、育児などを理由に離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた
● 家族の看護や扶養など家庭の事情が急変したことで離職を余儀なくされた
● 結婚や事業所の移転、公共交通機関の廃止などを理由に通勤が困難になった

特定理由離職者が失業保険の給付を受けるために必要な被保険者期間は、前述した特定受給資格者と同じです。離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6ヵ月以上あれば、受給の対象となります。

失業保険の受給金額を計算する方法

失業保険の受給金額を計算する方法

失業保険の受給金額は、失業保険で受給できる1日あたりの金額「基本手当日額」と給付日数で計算できます。

基本手当日額は、離職日の直前6ヵ月に毎月支払われていた賃金(賞与は除く)の合計を180で割って算出した賃金日額の45〜80%です。45〜80%のうち、どの%(給付率)が適用されるかは年齢や賃金日額で変わってきます。

それでは、具体的な計算式を見ていきましょう。受給金額の総額を算出するための計算式は下記のとおりです。

1. 「離職日の直前6ヵ月に毎月支払われていた賃金の総額÷180」で賃金日額を算出
2. 「賃金日額×45~80%」で基本手当日額を算出
3. 「基本手当日額×給付日数」で受給金額の総額を算出

なお、1ヵ月間にもらえる受給金額は最大で28日分(4週間分)です。1ヵ月単位での受給金額が知りたい場合は、「基本手当日額×28」で算出できます。

基本手当日額と賃金日額には上限がある

基本手当日額と賃金日額には、離職時の年齢に応じて上限額が設定されています。年齢別の基本手当日額と賃金日額の上限額は下記のとおりです。

離職時の年齢 基本手当日額の上限額 賃金日額の上限額
29歳以下 6,835円 13,670円
30〜44歳 7,595円 15,190円
45〜59歳 8,355円 16,710円
60〜64歳 7,177円 15,950円
(2023年4月現在)

ちなみに、下限額は基本手当日額が2,125円、賃金日額は2,657円です。下限額の場合、年齢による金額の違いはありません。

また、賃金日額の上限額と下限額は毎年8月に見直しが行われます。最新の上限額・下限額は厚生労働省の公式サイトから確認できるので、失業保険の受給金額を計算する際はチェックしておきましょう。

基本手当日額の給付率

先述したように、基本手当日額の給付率は年齢と賃金日額によって変わります。年齢・賃金日額に応じた給付率と基本手当日額の目安は下記のとおりです。

離職時の年齢 賃金日額 給付率 基本手当日額の目安
29歳以下 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円以下 50〜80% 4,024円~6,190円
12,380円超13,670円以下 50% 6,190円~6,835円
13,670円超〜 - 6,835円
30〜44歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円以下 50〜80% 4,024円~6,190円
12,380円超15,190円以下 50% 6,190円~7,595円
15,190円超〜 - 7,595円
45〜59歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125円~4,023円
5,030円以上12,380円以下 50〜80% 4,024円~6,190円
12,380円超16,710円以下 50% 6,190円~8,355円
16,710円超〜 - 8,355円
60〜64歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125円~4,023円
5,030円以上11,120円以下 45〜80% 4,024円~5,004円
11,120円超15,950円以下 45% 5,004円~7,177円
15,950円超〜 - 7,177円
(2023年4月現在)

失業保険の給付を受けるまでの流れ

失業保険の給付を受けるには、ハローワークでの手続きが必要です。ハローワークで手続きを行ってから失業保険の給付を受けるまでの流れは下記のとおりです。

1. ハローワークで求職の申し込み・雇用保険被保険者離職票を提出
2. 雇用保険受給者初回説明会に出席
3. 失業認定日に失業認定申告書・雇用保険受給資格者証を提出する
4. 失業認定日から5営業日以内に給付金が振り込まれるので確認する

まずはハローワークで求職の申し込みを行い、雇用保険被保険者離職票を提出します。提出時に失業保険の受給資格があるとみなされた場合は、雇用保険受給者初回説明会の日時が知らされるので必ず出席しましょう。

その後、失業状態にあるかどうかの確認をハローワークで受けます。確認を行う日付は事前に指定されるので、忘れないように気をつけてください。当日は説明会で渡された失業認定申告書・雇用保険受給資格者証をハローワークに提出し、失業の認定を行います。

失業保険の受給条件を満たしている場合、失業の認定を行った日から5営業日以内に給付金が振り込まれます。

ハローワークで手続きする際に必要な書類

離職後にハローワークで初めて手続きをする際は、以下の書類の提出が必要です。

● 雇用保険被保険者離職票
● マイナンバーカード(通知カード、個人番号の記載のある住民票でも可)
● 身元確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
● 証明写真2枚(縦3.0cm×横2.5cm)
● 本人名義の預金通帳・キャッシュカード

なお、離職票は離職日の翌々日から10日以内に発行されるのが一般的です。10日経っても離職票が届かない場合は、以前の職場に問い合わせてみましょう。

また、2週間程度経っても離職票が届かない場合、退職したことを証明できる書類があれば離職票なしでも手続きできる可能性があります。

失業保険の支給が始まるタイミング

失業保険の支給が始まるタイミングは待機期間の満了後です。

待機期間とは、失業保険の支給を受けられない期間のことを指します。期間は受給資格決定日(求職の申し込み・離職票を提出した日)から7日間で、待機期間を満了しても失業状態が続いている場合は失業保険支給の対象とみなされます。

待機期間の満了後にどのタイミングで支給が始まるかは、「一般の離職者」と「特定受給資格者・特定理由離職者」のうちどれに該当するかで変わります。以下で各区分ごとに、失業保険の支給が始まるタイミングを解説します。

一般の離職者の場合

自己都合退職をした一般の離職者の方は、待機期間の満了日の翌日から2ヵ月間、給付制限が設けられます。そのため、失業保険の支給が始まるのは最短でも2ヵ月と7日後です。

また、過去5年間で2回以上自己都合で退職している場合は、給付制限が2ヵ月から3ヵ月に伸びるので注意してください。

特定受給資格者・特定理由離職者の場合

解雇・倒産・正当な理由で離職した特定受給資格者や特定理由離職者の方は、一般の離職者と違って給付制限がありません。

そのため、待機期間の満了日の翌日から失業保険の支給が始まります。

失業保険の制度を活用するうえで注意したいポイント

失業保険の制度を活用する際は、下記の3つに注意しましょう。

● 支給を受けるためには求職活動実績が必要
● 失業保険の給付日数は人によって異なる
● 受給期間中にアルバイトやパートで働くと支給を受けられなくなる場合がある

以下で詳しい内容を順番にご紹介します。

支給を受けるためには求職活動実績が必要

失業保険の支給を受けるには、前回の失業認定日〜今回の失業認定日までの期間中に最低でも2回、給付制限がある場合は給付制限期間中を含めて最低でも3回の求職活動実績が必要です。

求職活動実績とは、仕事探しの実績のことです。具体的には下記のような活動が求職活動実績に該当します。

● 求人への応募
● ハローワークで職業相談や職業紹介を受ける
● ハローワークが行っている各種講習・セミナーの受講を受ける
● 許可や届出のある民間事業者が行う職業相談や職業紹介、各種講習・セミナーの受講を受ける
● 再就職に向けた各種国家試験・検定などの受験

これらの求職活動実績の内容は、失業認定申告書に記載・提出することでハローワークに報告をします。

失業保険の給付日数は人によって異なる

失業保険の給付日数は、一般の離職者と特定受給資格者・特定理由離職者で異なります。一般の離職者の給付日数は下記のとおりです。

<一般の離職者の給付日数>
被保険者期間 給付日数
10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

一方、特定受給資格者・特定理由離職者は、下記のように被保険者期間だけでなく離職時の年齢も給付日数に影響します。

<特定受給資格者・特定理由離職者の給付日数>
離職時の年齢 被保険者期間
1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日 -
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

なお、就職が困難な状態にあると判断された方は、最大で360日の給付日数が設けられます。

計画的に失業保険の給付を受けたい場合は、自分の給付日数を確認しておくと良いでしょう。

受給期間中にアルバイトやパートで働くと支給を受けられなくなる場合がある

失業保険の受給期間中は、経済的な不安からアルバイトをしたくなることもあるでしょう。しかし、受給期期間中に週20時間以上アルバイト・パートで働くと「就職をしている」とみなされてしまい、失業保険の支給を受けられなくなるので注意してください。

また、週20時間未満の労働でも、1日4時間以上勤務している日は失業保険が不支給になります。不支給になった場合、支給日数がその分繰り越される仕組みです。

なお、1日の労働時間が4時間未満の場合は不支給になりませんが、賃金に応じて支給額が減額されることがあります。

クレジットカードは失業前に発行を検討しよう

失業をしてから次の仕事を探す間、経済的な不安を感じる方も多いでしょう。このような失業後の経済的な不安を少しでも解消したいなら、失業前にクレジットカードの発行を検討してみると良いでしょう。

ポイント還元やお得な特典など、節約につながるサービスを備えているクレジットカードがあればお金の不安を軽減できます。

ただし、クレジットカード発行には審査があり、失業中の場合は失業保険を受け取っていても収入とはならないため、発行が難しくなります。クレジットカードの発行を検討されている方は退職前にクレジットカードを発行するようにしましょう。

以下では、節約につながるおすすめのクレジットカードを2枚ご紹介します。

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セゾンパール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード Digitalは、お申し込み開始から、最短5分発行で発行できるデジタルカードです。

デジタルカードはクレディセゾン公式スマートフォンアプリ「セゾンPortal」内に発行され、発行後はすぐにオンラインショッピングや電子マネー決済で利用可能です。発行までに必要な時間が短いため、「手持ちの現金が少なくて不安」といった悩みを解消できます。

このほか、ポイントの貯めやすさも魅力のひとつです。対象の店舗でQUICPay™(クイックペイ)を利用すると、最大2%相当(※1)のポイントが還元されます(※2)。

貯めたポイントは、家電やギフト券をはじめとした人気アイテムが2万点以上出品されているセゾンの総合通販サイト「STOREE SAISON(ストーリーセゾン)」で使えるほか、カードの請求額に充当することも可能です。上手にポイントを活用すれば、効率良く節約ができるでしょう。

(※1)1ポイント最大5円相当のアイテムと交換した場合となります。
(※2)適用には諸条件があります。詳細はカードのお申し込みページをご確認ください。


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また、セゾンパール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード Digitalと同様に、お申し込み開始から、最短5分発行でデジタルカードを発行可能です。デジタルカード発行後はプラスチックカードが郵送され、状況や好みに応じてそれぞれのカードを使い分けられます。

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まとめ

失業保険の給付を受ければ、収入がない期間も経済的な負担を気にせず就職活動に専念できます。失業保険の制度を活用したい方は必要な書類を持参したうえで、ハローワークで給付の手続きを行いましょう。

また、失業保険の給付が始まるタイミングは、自己都合で退職したかどうかで異なります。自己都合で退職した場合、最大3ヵ月間の給付制限期間が過ぎないと給付を受けられない点に注意してください。

なお、「失業保険の給付があっても経済的な不安がある」という方には、節約につながる特典が付帯する「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス(R)・カード Digital」、「SAISON CARD Digital」の発行がおすすめです。少しでも節約したい方は、ぜひ申し込みをご検討ください。

(※)「QUICPay」は、株式会社ジェーシービーの登録商標です。