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資金繰り
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ファクタリング手数料の相場や費用を抑える方法、勘定科目も解説

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ファクタリングを利用する際は手数料がかかってくるため、手数料の相場を知りたい方や、なるべく手数料がかからない方法を知りたい方は多いと思います。ファクタリングの手数料は、売掛先の信用力や支払能力、ファクタリング会社などによって異なってくるため、手数料に影響を与える要因や、抑えるためのポイントを知っておくことが大切です。

本記事では、ファクタリングの手数料相場や手数料の計算方法から、ファクタリング費用を抑える方法、ファクタリングに頼らず売掛金の早期資金化・請求業務の効率化を実現できるサービスをご紹介します。

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ファクタリングとは?手数料が発生する理由

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社へ売却することで、支払期日を待たずに早期に資金化できる金融サービスです。請求書や売掛金などの債権を、ファクタリング会社が買い取って資金を提供する仕組みで、借入とは異なるため担保や保証人は不要です。

このサービスを利用する際、ファクタリング会社に支払う手数料は売掛債権の額面に対して一定の割合で設定されています。例えば、売掛債権が100万円で手数料が10%の場合、実際に受け取れる資金は90万円となります。

手数料はファクタリング会社にとって重要な収入源であるだけでなく、売掛金が回収できないリスクに対する補填としての役割も果たしています。ファクタリング会社は売掛債権を買い取った後、期日に売掛先から支払いを受けることになりますが、売掛先の経営状態が悪化して支払いが滞るといった未回収リスクを負っています。

そのため、手数料は売掛先の信用力や支払能力によって大きく変動します。信用力の高い大手企業への売掛債権であれば、未回収リスクは低くなるため手数料も抑えられますが、経営状態が不安定な企業への売掛債権の場合は、リスクが高いと判断されて手数料が高めに設定されることになります。

ファクタリング手数料の相場と比較

ファクタリング手数料は取引形態によって大きく異なります。2社間と3社間で手数料率に差があり、相場として2社間ファクタリングは8〜18%、3社間ファクタリングは2〜9%程度となっています。
この差は売掛金の回収リスクの違いによるもので、利用目的や状況に応じて適切な形態を選択することが重要です。

2社間ファクタリングの手数料相場

2社間ファクタリングの手数料相場は主に8〜18%の範囲で設定されており、売掛先への通知なしで利用できる利点がある一方で、ファクタリング会社のリスクが高くなるため手数料も高めに設定されています。

手数料の変動要因として、まず売掛先の業態や規模が挙げられます。大手企業や上場企業など信用力の高い売掛先であれば手数料は低く抑えられる傾向にあります。また、取引実績の豊富な売掛先への債権であれば、支払いの確実性が高いと判断され、手数料が抑えられやすくなります。

支払期日までの期間も重要な要素となっています。期日が近い売掛債権は早期に回収できる見込みが高いため、手数料を低く設定できます。一方で、支払期日が遠い場合は、その間に売掛先の経営状態が悪化するリスクが高まるため、手数料も上昇する傾向にあります。

売掛債権の金額も手数料に影響を与える要素の一つです。一般的に高額な売掛債権ほど手数料率は下がりやすく、少額の場合は手数料率が高くなる傾向にあります。

3社間ファクタリングの手数料相場

3社間ファクタリングの手数料相場は2〜9%程度となっており、2社間ファクタリングと比較して大幅に低い水準に設定されています。これは売掛先からファクタリング会社へ直接支払われる仕組みにより、債権回収の確実性が高まるためです。

この取引形態では、売掛先が債権譲渡に同意し、支払い義務を認識した状態で契約が進められます。そのため、ファクタリング会社は売掛金の存在を直接確認でき、架空債権や二重譲渡のリスクを大幅に低減することができます。

売掛先の支払能力や信用度によって手数料は変動しますが、一般的に3社間取引では債権の存在が確実であり、かつ支払いも直接受けられることから、2社間取引と比べてリスクが低くなります。企業の規模や業績に関わらず、取引実績が豊富で支払い遅延がない売掛先であれば、さらに手数料を抑えられる可能性があります。

ファクタリング手数料の計算方法

ファクタリングを利用する際は、売掛債権からどの程度の手数料が差し引かれるのか、事前に把握しておく必要があります。
手数料の計算方法を理解し、実際の資金調達額を正確に見積もることで、経営計画に反映できます。

具体的な計算方法

ファクタリング手数料は、売掛債権の額面に対して一定の割合で計算されます。例えば、売掛債権1,000万円を手数料率10%でファクタリングする場合、手数料は100万円となり、実際に受け取れる金額は900万円となります。

売掛債権1,000万円 × 手数料率10% = 手数料100万円
売掛債権1,000万円 - 手数料100万円 = 実際の受取額900万円


ファクタリングでは、額面金額が大きくなるほど手数料率が下がる傾向にあります。これは、高額な案件ほどファクタリング会社の収益効率が良くなるためです。

また、手数料率は売掛先の信用力や支払期日までの期間によっても変動するため、事前に正確な見積もりを取ることが重要です。

計算時の注意点

実際の調達額を把握するには、基本手数料以外の費用も考慮する必要があります。債権譲渡登記費用として登録免許税7,500円と司法書士報酬5万円から10万円程度、印紙代として売掛金1万円以上の場合200円が必要になる場合があります。

事務手数料や出張費用が追加で発生するケースもあるため、契約前にファクタリング会社へ費用の詳細を確認しましょう。また、相場から大きく外れた手数料を提示されたり、用途が不明確な手数料を請求されたりした場合は、別のファクタリング会社の検討も視野に入れることをお勧めします。

ファクタリング手数料に影響を与える要因

ファクタリング手数料は一律ではなく、さまざまな要因によって変動します。手数料を適切に把握するために、以下の影響要因について理解しておく必要があります。

 ● 契約形態による違い
 ● 売掛先企業の信用力
 ● 売掛債権の金額と支払い期日
 ● ファクタリングの利用実績

これらの要因がどのように手数料に影響するのか解説します。

契約形態による違い

ファクタリングの手数料は、2社間と3社間のどちらの形態を選択するかで大きく異なります。2社間ファクタリングでは売掛先に知られずに資金調達できる一方、手数料は8%から18%と高めになります。対して3社間ファクタリングは売掛先の承認が必要ですが、手数料は2%から9%と抑えられます。

事業の状況や取引先との関係性を考慮して、最適な契約形態を選択することが重要です。売掛先との良好な関係を維持したい場合は3社間、機密性を重視する場合は2社間を選ぶなど、状況に応じた使い分けが求められます。

売掛先企業の信用力

売掛先の信用力は手数料を決める重要な要素となります。大手企業や上場企業など信用度の高い売掛先であれば、ファクタリング会社は債権回収の確実性が高いと判断し、手数料を低く設定する傾向にあります。

取引実績が豊富で支払い遅延のない売掛先の場合も、手数料の引き下げが期待できます。信用調査会社による評価や、過去の取引履歴などが考慮され、それらを証明できる書類を提示することで、より有利な条件での契約が可能となります。

売掛債権の金額と支払い期日

売掛債権の金額は手数料率に大きく影響します。高額な債権ほど手数料率は低く設定される傾向にあり、これはファクタリング会社にとって1件あたりの効率が良くなるためです。

一方、支払期日までの期間が長いと、その分だけ回収リスクも高まります。支払期日が近い売掛債権は手数料が抑えられますが、期日が遠い場合は売掛先の経営状態が変化するリスクを考慮して、手数料が高く設定されます。

ファクタリングの利用実績

初めてファクタリングを利用する場合は、ファクタリング会社からの信用度が低いため、手数料は比較的高めに設定されます。過去に複数回の利用実績があり、問題なく債権回収できている場合は、信用度が上がって手数料が抑えられる可能性があります。

信頼関係の構築には時間がかかりますが、同じファクタリング会社と継続的に取引することで、より有利な条件での契約を期待することができます。

ファクタリングで手数料以外にかかる費用

ファクタリングを利用する際は、基本的な手数料以外にも追加で発生する費用があります。以下の費用項目は、ファクタリング会社や契約内容によって異なり、必ずしもすべてが発生するわけではありません。

 ● 債権譲渡登記費用
 ● 審査・事務手数料
 ● 印紙代
 ● 出張費用

債権譲渡登記費用は、2社間ファクタリングで二重譲渡のリスクを防ぐために行う手続きにかかる費用です。登記費用として登録免許税7,500円、司法書士へ依頼する場合は別途5万円から10万円程度が必要となります。なお、この登記は法人のみが対象で、個人事業主は対象外となっています。

事務手数料は、審査や契約にかかる諸経費として数千円から数万円程度が請求される場合があります。この費用には消費税が課税されます。

印紙代については、契約書に貼付する印紙税として、契約金額が1万円未満の場合は非課税、1万円以上の場合は200円が必要です。ただし、電子契約の場合は印紙代は不要となります。

出張費用は、面談や契約を対面で行う際にファクタリング会社の担当者が出向く場合の交通費として発生することがあります。ただし、オンラインで完結するサービスでは不要です。高額な出張費用を請求されたり、用途不明な手数料を要求されたりした場合は、内訳の説明を求めることが重要です。

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違法なファクタリング手数料の見分け方

ファクタリングの利用を検討する際は、違法な業者の見分け方を知っておくことが重要です。適正な手数料か否かを判断できないと、高額な手数料を請求されたり、不当な追加費用を要求されたりするリスクがあります。

以下では、違法性のある業者を見分けるポイントについて解説します。

高すぎる手数料率

手数料率が市場相場から著しく逸脱している場合は、違法な業者である可能性を疑う必要があります。2社間ファクタリングの相場が8%から18%、3社間ファクタリングが2%から9%程度であることを踏まえると、20%を超えるような手数料率は不当に高いと言えます。

このような高額な手数料を設定している業者の中には、実際にはファクタリングではなく違法な貸金業を営んでいるケースもあります。表向きはファクタリング契約でも、実態は金利の高い融資契約であることも少なくありません。

不当な追加費用の存在

ファクタリング契約時に保証金や手付金などの費用を要求される場合は、違法な業者の可能性が高いといえます。正当なファクタリング取引では、基本手数料や債権譲渡登記費用、事務手数料など、明確な理由のある費用以外は発生しません。

さまざまな名目で追加費用を請求したり、費用の内訳や使途が不透明だったりする場合は要注意です。手数料を安く見せかけておきながら、保証金などの追加費用で実質的な負担を増やすような業者とは、取引を控えることが賢明です。

ファクタリング費用を抑える方法

資金調達をより効率的に行うために、ファクタリング費用は可能な限り抑えたいものです。

ここでは、手数料や諸経費を低く抑えるための具体的な方法をご紹介します。状況に応じて最適な方法を選択することで、調達コストを大幅に削減できる可能性があります。

複数のファクタリング会社を相見積もりする

相見積りは手数料を抑えるための基本的な方法です。最低でも3社以上のファクタリング会社から見積りを取り、手数料率や諸経費を比較検討しましょう。その際は、同じ条件で見積りを取得することが重要です。

時間に余裕を持って相見積りを行うことで、各社の特徴や対応の違いも把握できます。見積り金額だけでなく、会社の信頼性や契約条件なども含めて総合的に判断することをお勧めします。

信用力の高い売掛先の債権を申請する

売掛先の信用力を証明できる書類を用意することで、手数料を抑えられる可能性があります。継続的な取引実績を示す通帳の入金履歴や請求書、取引先から発行された注文書や契約書などが有効です。

メールでのやり取りも取引実績の証明になるため、エビデンスとして保管しておくと良いでしょう。売掛先が信用できる会社であることを示せれば、交渉次第で手数料を下げることも可能です。

キャンペーンを利用する

ファクタリング会社は定期的にキャンペーンを実施しています。初回限定や期間限定で手数料が割引されるケースがあるため、タイミングを見計らって申し込むことで費用を抑えられます。

ただし、キャンペーン価格でも他社と比べて割高な場合もあります。キャンペーン内容を精査し、実際の費用負担を慎重に確認する必要があります。

利用したことがある業者に依頼する

同じファクタリング会社を継続的に利用することで、信頼関係を築くことができます。過去の取引で問題がなければ、手数料の引き下げ交渉がしやすくなります。

審査もスムーズに進みやすく、取引実績を重ねることで買取上限額が引き上げられる可能性もあります。実績のある売掛先の債権を持ち込むことで、さらに有利な条件を引き出せる場合もあります。

オンライン完結型のサービスを利用する

面談や契約を対面で行う場合、交通費などの出張費用が発生することがあります。オンラインで完結するファクタリングサービスを選択することで、これらの追加費用を削減できます。

オンラインサービスは手数料自体も低めに設定されていることが多く、手続きもスピーディーです。書類のやり取りもデジタル化されているため、印紙代なども節約できる場合があります。

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ファクタリング手数料に関するよくある質問

ファクタリングを利用する際には、手数料に関するさまざまな疑問が生じることがあります。
ここでは、特に問い合わせの多い消費税の取り扱いや経理処理の方法、支払方法について解説します。これらの疑問点を理解することで、より適切なファクタリングの利用が可能になります。

ファクタリング手数料に消費税はかかる?

ファクタリングの基本手数料には消費税はかかりません。これは、ファクタリング取引が国税庁によって有価証券の譲渡と同じ「非課税取引」と定められているためです。

ただし、2社間ファクタリングで必要となる債権譲渡登記に関する費用は消費税の課税対象となります。登録免許税自体は非課税ですが、司法書士への報酬や交通費には消費税が課税されるため、注意が必要です。

手数料の勘定科目は?

ファクタリング手数料の勘定科目は、「売上債権譲渡損」または「売上債権売却損」を使用します。ファクタリング利用にかかった諸費用は、基本的にまとめて計上することが可能です。

なお、内容によって課税・非課税が異なる点には注意が必要です。基本手数料は非課税ですが、事務手数料や債権譲渡登記費用は課税対象となるため、必要に応じて区分して処理することをお勧めします。

分割払いは可能か?

ファクタリング手数料の分割払いはできません。ファクタリングは売掛債権の売買取引であり、貸金業ではないためです。仮に手数料を分割で支払うとすると、売掛金の売買ではなく貸付取引と判断される可能性があります。

分割払いが可能と謳っているファクタリング会社は、貸金業の登録がない違法な業者である可能性が高いため、取引は避けるべきです。正規のファクタリングでは、手数料は一括で差し引かれる形になります。

ファクタリング以外におすすめの方法

資金繰り改善の手段として、ファクタリング以外にも効果的なサービスが存在します。ここでは、売掛金の早期資金化と請求業務の効率化を実現できるセゾンインボイスと、ビジネスカードを活用した運転資金の確保について解説します。

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ファクタリング利用時は複数社を比較検討しよう

ファクタリングの手数料は、2社間取引で8%から18%、3社間取引で2%から9%が一般的な相場です。費用を抑えるためには、売掛先の信用力を証明できる書類の準備や、オンラインで完結するサービスの活用が効果的です。また、手数料が20%を超える、保証金や手付金を要求するといった業者との取引は避けるべきでしょう。

資金繰り改善の手段としては、ファクタリング以外にもセゾンインボイスという選択肢があります。このサービスは最短翌日での入金が可能で、与信審査から請求書発行、督促業務までを代行してくれます。また、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの活用も検討に値します。このカードは初年度年会費無料で、最短3営業日での発行が可能です。永久不滅ポイントが貯まる点も魅力で、ポイントは支払いやマイル交換など幅広い用途に活用できます。