ファクタリング利用中に他社への乗り換えは可能?メリットや注意点も
本記事では、ファクタリング乗り換え前に知っておくべき基本情報や、乗り換えを検討するタイミング、さらには注意点や業者選びのポイントについて詳しく解説します。さらに、ファクタリング以外の選択肢も紹介。安全で効率的な資金調達を実現するための参考にしてください。
shi-harai01.png)
shi-harai01_sp.png)
ファクタリング乗り換え前に知っておくべきこと
ファクタリングを利用中の企業が、より良い条件での資金調達を目指して乗り換えを検討する場合、いくつかの重要なポイントを確認する必要があります。
契約内容の確認から新しい取引先の選定まで、慎重に進めることが大切です。
現在のファクタリングを解約できるか
結論から言えば、ファクタリングの乗り換えは他社利用中でも可能です。ファクタリングには「同じファクタリング会社を利用し続けなければならない」という制約はなく、法的にも禁止されていません。
ただし、既に譲渡している売掛債権については、乗り換え先の他社へ移行することはできません。新規の売掛債権から別のファクタリング会社との取引を開始することが一般的な流れとなります。
乗り換えのメリット
ファクタリングの乗り換えを検討する際は、まずメリットとデメリットを把握することが重要です。乗り換えの主なメリットとして、コストダウンが挙げられます。相見積もりを取得して手数料の安いファクタリング会社に切り替えることで、手元資金を増やすことができます。
また、買取限度額の引き上げも期待できます。小規模なファクタリング会社から大手に乗り換えることで、より高額な売掛債権の買取が可能になることもあります。これにより、複数の売掛債権をまとめて売却するなど、より柔軟な資金調達が実現できます。
乗り換えのデメリット
一方で、ファクタリングの乗り換えによる課題は、新たなファクタリング会社との信頼関係構築に時間がかかることです。これまでの取引実績がないため、審査や手続きにおいて追加の確認が必要になる場合があります。
さらに、新規契約に伴う書類の再提出や、初回審査にかかる時間も考慮する必要があります。既存のファクタリング会社であれば自社や取引先の状況を把握しているため素早い対応が可能ですが、新規の場合は審査に時間を要する可能性があります。
ファクタリングの乗り換えを検討するタイミング

ファクタリングの乗り換えを検討する上で、最適なタイミングを見極めることが重要です。以下のような状況に当てはまる場合、乗り換えによって資金調達の効率化が図れる可能性があります。
● 手数料などの費用が高い
● 担当者の対応に不満がある
● 現在の契約で不利な条件が多い
● 支払いサイトを縮小したい
● 売掛金の買取金額が低い
● 入金までの期間が長すぎる
● 2社間ファクタリングで債権譲渡登記が必須
それぞれの状況について、見ていきましょう。
手数料などの費用が高い
ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングで10%から20%程度、3社間ファクタリングで1%から5%程度が一般的な相場です。この相場を上回る手数料を請求されている場合は、乗り換えを検討する良いタイミングといえます。
相場よりも明らかに高額な手数料を設定しているファクタリング会社は、悪徳業者の可能性も否定できません。他社から乗り換える際に手数料の引き下げに応じるファクタリング会社も多いため、積極的に相見積もりを取得することをお勧めします。
担当者に対応に不満がある
ファクタリング会社の担当者の態度が悪い、相談に親身に乗ってくれない、対応が遅いといった不満がある場合は、乗り換えを検討すべきです。優良なファクタリング会社では、豊富な経験と実績を持つ担当者が顧客の利益を第一に考えて対応します。
特に資金調達が急務であるにもかかわらず、本業の都合で時間が取れない場合には、担当者が自社まで出向いてくれる会社を選ぶことで、より円滑な取引が期待できます。多少手数料が高くても、誠実で有用なアドバイスを提供してくれる担当者がいる会社との取引を優先することも検討に値します。
現在の契約で不利な条件が多い
諸経費の請求や債権譲渡登記の必須化など、契約条件に不満がある場合も乗り換えの好機です。債権譲渡登記には8万円から10万円程度の費用が必要となり、この費用は利用者負担となります。
登記費用や交通費、事務手数料などの諸経費を請求しないファクタリング会社であれば、手数料以外の余計な出費を抑えることができます。契約書に不明な経費が記載されている場合は、その内訳について納得のいく説明を求め、不十分な回答しか得られない場合は乗り換えを検討しましょう。
支払いサイトを縮小したい
支払いまでの期間が長いと、その分手数料負担も重くなります。さらに、支払い期日が長い債権は買取を制限するファクタリング会社も多く存在します。支払いサイトが長い債権でも柔軟に対応できる会社への乗り換えにより、キャッシュフローの改善が期待できます。
ただし、支払いサイトの短縮を主な目的とする場合は、ファクタリング以外の資金繰り改善サービスも視野に入れることをお勧めします。特に、最近では借入やファクタリングに頼らない新しい資金繰り改善の方法も登場しています。
支払いサイトの改善や資金繰り最適化をお考えの方は、他のサービスも紹介していますので検討してみてください。


売掛金の買取金額が低い
掛け目(売掛債権全額に対する買取割合)は、ファクタリング会社によって大きく異なります。たとえば100万円の売掛債権に対して、A社では80%の買取率で80万円、B社では90%で90万円と、同じ債権でも買取金額に大きな差が生じることがあります。
継続取引のある売掛先の債権は複数回の利用が期待できるため、審査通過率が高く買取率も良くなる傾向にあります。買取金額が低いと感じる場合は、他社の条件を比較検討することをお勧めします。
入金までの期間が長すぎる
手続きから入金までに時間がかかりすぎるファクタリング会社では、キャッシュフロー改善というファクタリング本来のメリットを活かしきれません。一般的な入金期間は、2社間ファクタリングで即日から3営業日以内、3社間ファクタリングでは1週間程度が標準です。
急いで手続きを進めなければならない場合は手数料が高めに設定されることもあるため、計画的に資金調達を行える会社への乗り換えを検討することも有効です。
2社間ファクタリングで債権譲渡登記が必須
債権譲渡登記は、金銭債権の譲渡を第三者に対抗するための手続きですが、登記費用と司法書士への報酬で8万円から10万円程度の追加コストが発生します。また、登記情報は誰でも閲覧可能なため、取引先にファクタリングの利用が知られてしまうリスクもあります。
そのため、取引先に知られることなく利用したい場合や、余計な費用を抑えたい場合は、債権譲渡登記を必要としないファクタリング会社への乗り換えを検討することをお勧めします。登記不要で進めてくれる会社も多数存在します。
ファクタリング会社を乗り換える際の注意点

ファクタリング会社の乗り換えには、いくつかの重要な注意点があります。以下のポイントに気を付けることで、より安全で効果的な乗り換えが可能になります。
● 売掛金の二重譲渡は厳禁
● 契約審査で不利になる場合がある
● 複数社比較して信頼できる業者を見極める
● 悪質な業者に注意
以降では、それぞれの注意点について解説します。
売掛金の二重譲渡は厳禁
ファクタリング会社を乗り換える際に最も注意が必要なのは、二重譲渡をしないことです。二重譲渡とは、すでにファクタリング会社に譲渡した売掛債権と同一のものを他のファクタリング会社に二重で譲渡することを指します。
社内担当者間の連絡不足や複数のファクタリング会社を同時に利用している場合などにおいて、すでに譲渡したことに気が付かずに、乗り換え後に再度譲渡契約を結んでしまうケースが考えられます。
二重譲渡は深刻な違法行為として扱われ、その結果として業界からの信用を完全に失うことになります。また、詐欺罪などの法的責任を問われる可能性も高く、事業継続に重大な支障をきたす恐れがあります。売掛債権の譲渡は、常に一つの債権に対して一社のみという原則を厳守することが不可欠です。
契約審査で不利になる場合がある
ファクタリング会社を乗り換える時は、契約を結ぶための審査を改めて受ける必要があり、複数のファクタリング会社と契約しようとすると審査に不利に働いてしまうケースがあります。
審査では、事業の収益性や財務状況、営業実績、取引先企業の信用力など、多角的な観点から企業の健全性が評価されます。
複数のファクタリング会社と同時に契約しようとすると、これらの判断材料が悪い状況にあると思われ、過剰な資金調達を行おうとしているのではないかとファクタリング会社から懸念を持たれる可能性があります。
頻繁な乗り換えや複数社との同時契約は、ファクタリング会社から信用リスクが高いと判断される要因となり、結果として必要な資金調達の機会を失う可能性もあります。そのため、乗り換えを検討する際は慎重な判断が必要です。
複数社比較して信頼できる業者を見極める
ファクタリングは売掛債権という企業にとって重要な資産をやり取りするため、企業として信頼できるファクタリング会社と取引すべきです。
信頼できるファクタリング会社は、メリットとデメリットについて公平に伝え、利用者の状況に合わせて柔軟に審査を行い、過去に確かな買取実績があるものです。優良な担当者であれば、利用者のキャッシュフロー改善に責任感を持って対応してくれるでしょう。
ファクタリング会社の信頼性を判断する際は、費用に関する説明の透明性や、資金調達に関する専門的なアドバイスの質なども重要な基準となります。
手数料だけでなく、総合的に信頼できるファクタリング会社を選ぶことが重要です。
悪質な業者に注意
ファクタリング会社の中には闇金融業者に近いグレーな会社も存在しており、詐欺まがいの取引を行おうとする悪質な会社も皆無ではありません。例えば、高額な買取手数料や費用を要求したり、ファクタリングなのに担保や保証人を要求したり、法人用口座を持っていなかったりする会社は要注意です。
また、償還請求権のある契約でなければ受け付けなかったり、契約書を書面で用意していなかったりする場合は避けるべきでしょう。このような悪質な業者と取引を開始してしまうと、資金調達の目的とは逆に、経営状態を著しく悪化させてしまうリスクがあります。乗り換えようとしているファクタリング会社の口コミをネット上でチェックするなどして、事前に情報収集しておくことをお勧めします。
乗り換えるファクタリング業者を選ぶ際のポイント
ファクタリング会社を乗り換える際は、単に手数料の安さだけでなく、総合的な観点から選定することが重要です。手数料以外の諸費用や入金までの期間、担当者の対応など、さまざまな要素を比較検討する必要があります。
乗り換え先のファクタリング会社では、2社間ファクタリングの場合では10%から20%程度、3社間ファクタリングでは1%から5%程度が一般的な手数料の相場です。この範囲内でより低い手数料を提示する会社を選ぶことで、売掛債権を譲渡した際に手元に入る現金を増やすことができます。
また、債権譲渡登記の要否も重要な判断材料となります。2社間ファクタリングでは債権譲渡登記が必要となる場合があり、その場合は登記費用と司法書士への報酬で8万円から10万円程度の追加費用が発生します。債権譲渡登記を必須としないファクタリング会社であれば、この余計な費用の出費を避けることができます。
さらに、担当者の対応品質も見極めるポイントです。評判の良い優良なファクタリング会社は、豊富な経験や実績を持つ担当者を配置しており、資金繰りに関する有用なアドバイスも期待できます。顧客にファクタリング会社の所在地まで来てもらうことを必須とせず、出張対応してくれる会社であれば、より柔軟な対応が期待できるでしょう。
できれば複数のファクタリング会社から相見積もりを取得し、手数料や諸条件を比較検討することをお勧めします。その際、発生する手数料について早い段階で明示してくれるか、ファクタリングの適切な利用方法をアドバイスしてくれるかなども、信頼性を見極める判断材料としましょう。
ファクタリング以外でおすすめのサービス
資金繰りの改善には、ファクタリング以外にも効果的な選択肢があります。特に注目したいのが、クレディセゾンが提供するBtoB向け後払い決済・請求代行サービス「セゾンインボイス」です。
セゾンインボイスは、請求から回収業務まですべてを代行し、最短翌日での入金を実現する革新的なサービスです。従来のファクタリングと異なり、月額固定費が0円で、手数料率も業界最低水準の1.5%~5.5%に設定されています。
このサービスと組み合わせて活用したいのが、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カードです。初年度年会費無料で、JALのマイル還元率最大1.125%という高還元率が特徴です。また、海外・国内旅行傷害保険で最高1億円の補償や、1,600ヶ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」など、ビジネスに役立つ充実した特典も用意されています。
実際の導入事例では、コワーキングスペース運営会社が請求・回収業務の効率化に成功し、広告代理店では売掛金回収期間を30-60日から1日に短縮できたという成果が報告されています。
資金繰り改善の具体的な事例について、より詳しく知りたい方は、下記導入事例も一緒にご覧ください。
>>セゾンインボイスのサービス詳細はこちら
>>セゾンインボイスの効果別導入事例はこちら
他社利用中のファクタリングの乗り換えは慎重に
ファクタリング会社の乗り換えは、キャッシュフローの改善や手数料削減など、多くのメリットをもたらす可能性があります。一方で、二重譲渡のリスクや新たな信頼関係構築の必要性など、考慮すべき課題も存在します。
選定にあたっては、手数料率や買取限度額、入金スピードといった基本条件だけでなく、債権譲渡登記の要否や担当者の対応品質なども重要な判断材料となります。また、複数回の乗り換えは信用力の低下につながる可能性があるため、長期的な取引を見据えた慎重な判断が求められます。
資金繰り改善の手段としては、ファクタリング以外にもセゾンインボイスのような後払い決済・請求代行サービスも選択肢の一つです。自社の状況や目的に応じて、最適な方法を選択することが重要です。



