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ファクタリング会社の選び方|優良企業を見極めるポイントとは?

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資金繰りに課題を抱える企業にとって、迅速な現金化が可能なファクタリングは強力な味方です。しかし、多様なファクタリング会社が存在する中で、自社に合った優良なサービスを選ぶのは簡単ではありません。
本記事では、ファクタリングサービスの基本から契約形態、会社の分類、選び方のポイント、そして注意すべき点までを徹底解説します。また、ファクタリング以外の資金繰り改善方法もご紹介し、読者が最適な選択をできるようサポートします。資金繰りを改善し、事業をスムーズに進めるための参考にしてください。

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ファクタリングサービスのおさらい

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで早期に資金を調達できる金融サービスです。

一般的な商取引では、商品やサービスの提供後に代金を受け取る信用取引が主流となっていますが、支払いまでに1〜2ヵ月ほどのタイムラグが発生します。そのため、早急な資金調達が必要な場合にファクタリングを活用することで、キャッシュフローを改善できます。

【メリット】
・審査に通りやすい:売掛先の信用情報を基準とするため、自社の信用度が低くても利用可能。
・負債にならない:売掛金の前払い扱いであり、負債ではないためバランスシートに影響を与えない。
・最短即日で入金される:資金調達のスピードが早く、急な支払いにも対応。
・少額から利用できる:下限が設定されている場合もあるが、数十万円程度の売掛金でも対応可能。
・基本的に担保や保証人は不要:自社の資産をリスクにさらす必要がなく、手続きが簡単。
・売掛金の未回収リスクを回避できる:売掛金が回収できない、取引先の倒産といったリスクを業者に移転できる。

これらのメリットから、ファクタリングは中小企業やスタートアップ企業にとって使いやすい金融サービスといえます。特に、自社の経営状態に関わらず利用できる点は、資金調達の選択肢として大きな魅力となっています。取引先企業の倒産リスクから身を守れる点も、事業継続における重要な要素です。

ファクタリングの契約形態は2社間と3社間がある

ファクタリングには2社間と3社間の2種類の契約形態があり、それぞれ特徴が異なります。2社間ファクタリングは、利用企業とファクタリング会社の間で契約を行う形式です。

取引先に知られることなく資金調達ができ、最短即日での入金にも対応可能なため、急な資金需要に応えられます。ただし、ファクタリング会社にとってリスクが高くなるため、手数料は10%から20%程度と比較的高めに設定されています。

一方、3社間ファクタリングは、利用企業とファクタリング会社に加えて、売掛先も契約に加わる形式です。売掛先から承諾を得る必要があるため、資金調達までに時間を要しますが、手数料は1%から9%程度と2社間と比べて低く抑えられています。また、売掛金の入金も取引先からファクタリング会社に直接行われるため、支払いの手間も省けます。


契約形態の選択は、取引先との関係性や資金調達の緊急性を考慮して判断する必要があります。取引先にファクタリング利用を知られたくない場合や、スピーディーな資金調達を優先する場合は2社間ファクタリングが適しています。一方で、取引先との関係が良好で、手数料を抑えたい場合は3社間ファクタリングを検討するとよいでしょう。

ファクタリング会社の分類


ファクタリング会社は運営元によって、銀行系、ノンバンク系、独立系の3つに大別されます。それぞれ特徴や強みが異なるため、自社のニーズに合った分類から選ぶことが重要です。また、サービス内容によって買取型と保証型に分類することもでき、目的に応じた選択が必要となります。

銀行系ファクタリング

銀行系ファクタリングは、大手金融機関やそのグループ企業が提供するサービスです。主に3社間ファクタリングを取り扱っており、利用にあたっては売掛先の承諾が必要となります。サービスを展開している企業の多くが上場企業であり、長年の実績と信頼性を持っています。

手数料は他の分類と比較して低めに設定されており、安定した資金調達が可能です。ただし、審査基準は比較的厳格で、資金調達までに時間を要する傾向にあります。売掛先への債権譲渡通知が必要となるため、即日での対応は難しいケースが一般的です。

資金調達に余裕があり、売掛先の協力が得られる場合には、銀行系ファクタリングの利用がおすすめです。安定した経営基盤を持つ企業なので、契約後のトラブルも少なく、継続的な取引が期待できます。一方で、急を要する資金調達や、取引先に知られたくない場合には適していません。

ノンバンク系ファクタリング

ノンバンク系ファクタリングは、消費者金融やクレジットカード会社など、貸金業者が運営するサービスです。貸金業登録を受けた業者によって提供されるため、銀行系に次ぐ信頼性があります。2社間と3社間の両方の契約形態に対応しており、企業のニーズに合わせた選択が可能です。

審査は銀行系と比較して柔軟で、資金調達のスピードも比較的早いのが特徴です。ただし、2社間ファクタリングを利用する場合、多くの業者が債権譲渡登記を求めます。債権譲渡登記には費用がかかり、手続きにも時間を要するため、即日での対応は困難な場合があります。

手数料は銀行系と独立系の中間に位置しており、サービス内容とのバランスが取れています。一方で、法人向けのサービスが中心で、個人事業主は利用できないケースが多いことは注意が必要です。幅広い業種に対応可能ですが、際立った特徴や強みがないため、選び方に悩むケースも多くなっています。

独立系ファクタリング

独立系ファクタリングは、銀行やノンバンクの系列に属さない業者が提供するサービスです。現在、ファクタリング業界の大半を占めており、サービスも多様化しています。特定の業種に特化したサービスや、将来債権の買取にも対応するなど、柔軟な対応が可能です。

最大の特徴は、スピーディーな資金調達が可能な点です。2社間ファクタリングを中心に展開しており、最短即日での入金に対応する業者も少なくありません。審査基準も比較的緩やかで、中小企業や個人事業主でも利用しやすい環境を整えています。

一方で、業者の信頼性には大きな差があり、中には悪質な業者も存在します。極端に高額な手数料を請求したり、不当な契約を強要したりするケースもあるため、業者選定の際は十分な注意が必要です。選び方のポイントとして、実績や評判を重視し、複数の業者を比較検討することが重要です。

買取型と保証型

ファクタリングは提供するサービス内容によって、買取型と保証型に分類されます。買取型は売掛債権を現金化するサービスで、支払期日前に資金を調達できます。手数料を支払うことで、ファクタリング会社が売掛債権を買い取り、即座に資金を受け取ることが可能となります。

一方、保証型は売掛債権の回収を保証するサービスです。取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった場合、事前に定めた保証金額をファクタリング会社から受け取ることができます。保証料を支払うことで、売掛金の未回収リスクを回避できる仕組みとなっています。

買取型のフローは、まず企業が取引先に商品やサービスを提供し、売掛債権が発生します。その後、ファクタリング会社が売掛債権を買い取り、企業に代金を支払います。支払期日が到来すると、取引先から売掛金が支払われる仕組みです。

保証型の場合は、企業が取引先と取引を行う前に、ファクタリング会社が取引先の信用調査を実施します。調査結果に基づいて保証金額が決定され、企業は保証料を支払います。売掛金が回収不能となった場合のみ、保証金額の範囲内で支払いを受けることができます。

ファクタリング会社の選び方


最適なファクタリング会社を選ぶには、自社の状況や優先順位を明確にすることが重要です。資金調達の緊急性、必要金額の規模、審査に対する不安の有無など、さまざまな要素を考慮して選択する必要があります。

ここでは、主な選び方のポイントについて解説します。

スピードを重視するならオンライン完結型

AIを活用したオンライン完結型のファクタリングは、申込から審査、契約まですべての手続きをインターネット上で完了できます。必要書類をアップロードすると、AIによる迅速な審査が行われ、最短で申込当日に資金調達が可能となります。特に急な支払いが発生した場合や、早期の資金調達が必要な場合に適したサービスといえます。

オンラインの手続きは、24時間いつでも始めることができます。担当者との面談や書類の郵送が不要なため、遠方にある企業でも手軽に利用可能です。売掛金の証明書類と通帳のコピーなど、最低限の書類だけで申込ができるケースも多く、事務負担を抑えられる点も魅力です。

書類に不備があった場合でも、システム上で即座に確認できるため、スムーズな対応が可能です。従来の対面型サービスでは、書類の不備に気づくまでに時間がかかり、その分だけ資金調達が遅れるリスクがありました。オンライン完結型なら、こうした問題を回避でき、スピーディーな資金調達を実現できます。

審査に不安がある場合は対面型

対面型のファクタリングは、経験豊富な担当者がサポートしてくれます。審査に不安がある場合でも、面談を通じて自社の状況を詳しく説明できるため、柔軟な対応を引き出せる可能性があります。また、経営課題に対するアドバイスを得られることも、対面型の大きな特徴です。

専門スタッフによる丁寧なヒアリングを通じて、自社に最適な契約形態や調達額を提案してもらえます。資金繰り改善のためのコンサルティングを提供している会社もあり、長期的な視点での経営支援を受けられるケースもあります。取引実績の豊富な担当者であれば、さまざまな業界の事例を踏まえたアドバイスも期待できます。

面談時には契約内容について細かい質問も可能で、不明点をその場で解消できます。オンラインでは伝えにくい経営状況や、今後の事業展開についても具体的な相談ができるため、より実態に即した提案を受けられるでしょう。対面でのコミュニケーションを重視する企業にとって、心強いパートナーとなる可能性があります。

高額な資金が必要な場合は対応できる会社を選ぶ

ファクタリング会社によって、買取可能額は大きく異なります。数千万円から数億円規模の資金調達を検討している場合は、高額な売掛債権に対応できる会社を選ぶ必要があります。実績のある大手ファクタリング会社では、億単位の取引にも柔軟に対応してくれるケースが多いです。

買取可能額には上限と下限が設定されていることが一般的です。例えば、下限が50万円に設定されている会社では、それ以下の売掛債権は買取対象外となります。同様に、上限が1,000万円の場合、それを超える金額の買取はできません。必要な資金調達額に対応できる会社を選定することが重要です。

高額な取引には、それだけのリスクが伴います。そのため、豊富な資金力と確かな審査能力を持つ会社を選ぶことが賢明です。実績や信頼性の高い会社であれば、万が一の際のリスクマネジメントも期待できます。相談の段階で、過去の高額取引の事例や、リスク管理の体制について確認しておくとよいでしょう。

ファクタリング会社を選ぶ際のポイント


ファクタリング会社を選ぶ際は、複数の要素を総合的に判断することが重要です。自社のニーズに合った最適な会社を選定するために、以下の7つのポイントを確認しましょう。

 手数料率
 契約条件
 審査の方法
 入金までのスピード
 買取可能額
 申請に必要な書類
 実績と信頼性

これらの要素を一つ一つ丁寧に確認することで、優良なファクタリング会社を見極めることができます。以下では、各ポイントについて解説していきます。

手数料率

ファクタリングにおける手数料率は、業者や契約形態によって大きく異なります。2社間ファクタリングの場合、一般的な相場は10%から20%程度となっています。

一方、3社間ファクタリングでは1%から9%程度と比較的低めに設定されています。手数料率が極端に高い、もしくは低すぎる業者は避けるべきでしょう。

手数料以外にも、事務手数料や登記費用などさまざまな費用が発生する可能性があります。例えば、債権譲渡登記の費用は利用者負担となるケースが多く、約1万円程度の追加費用が必要です。また、取引金額や売掛先の信用力によっても手数料率は変動するため、事前に詳しい見積もりを取ることが重要です。

複数の業者から見積もりを取得し、総合的なコストを比較検討することをおすすめします。見積もりの際は、基本手数料に加えて、追加で発生する費用がないかどうかも必ず確認しましょう。特に2社間ファクタリングの場合、手数料が高めに設定されることが多いため、慎重な比較検討が必要です。

【関連記事】ファクタリング手数料の相場や費用を抑える方法、勘定科目も解説

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契約条件

ファクタリング会社によって契約条件はさまざまです。特に重要なのは、2社間と3社間のどちらの契約形態に対応しているかという点です。取引先に知られたくない場合は2社間ファクタリングを選ぶ必要があります。一方で、手数料を抑えたい場合は3社間ファクタリングが適していますが、取引先の承諾が必要となります。

償還請求権の有無も、重要な確認ポイントとなります。売掛先が倒産した場合、償還請求権があると利用企業が弁済責任を負うことになります。

一方、償還請求権がない契約であれば、売掛金が回収できなくなってもファクタリング会社が責任を負います。安全性を重視するなら、償還請求権のない契約を選ぶことをおすすめします。

支払期日に関する条件も確認が必要です。取引先から入金が遅れた場合の対応や、猶予期間の有無なども事前に把握しておくべきです。柔軟な対応が可能な会社を選ぶことで、不測の事態にも対応しやすくなります。

審査の方法

ファクタリングの審査においては、売掛先の信用力が重視されます。そのため、自社の業績や財務状況が悪化していても、売掛先の信用度が高ければ利用できる可能性があります。審査では、売掛先が上場企業や大手企業、公的機関である場合、承認されやすい傾向にあります。

書類審査の簡便さも重要なポイントです。必要以上に多くの書類を要求する会社は、審査に時間がかかる可能性があります。基本的な書類だけで審査が完了する会社を選ぶことで、スピーディーな資金調達が可能となります。オンライン審査に対応している会社であれば、さらに手続きがスムーズです。

審査内容が不明確な会社や、審査基準を開示しない会社は避けるべきでしょう。優良なファクタリング会社は、審査の流れや基準を明確に説明してくれます。また、審査に不安がある場合は、事前相談で柔軟な対応が可能かどうかを確認するとよいでしょう。

【関連記事】ファクタリング審査が通らない?原因や解決法を徹底解説

入金までのスピード

入金までのスピードは、ファクタリング会社選びの重要な基準の一つです。一般的に2社間ファクタリングでは、最短即日から3営業日程度での入金が可能です。一方、3社間ファクタリングでは、取引先への通知や承諾が必要なため、1週間から10日程度の期間を要します。

急な資金需要がある場合は、即日対応が可能な会社を選ぶ必要があります。ただし、即日対応をうたっていても、実際には翌営業日以降の入金となるケースもあります。入金時期について具体的な確約を得られるか確認することが重要です。

オンラインで完結するサービスを提供している会社は、書類のやり取りや審査がスピーディーに進むため、入金までの時間を短縮できます。特に、AIを活用した審査システムを導入している会社では、最短数時間での入金実績もあります。ただし、初回利用時は本人確認などの手続きで時間がかかる可能性があることも念頭に置いておく必要があります。

買取可能額

ファクタリング会社には、買取可能額に上限や下限が設定されていることが一般的です。小規模な売掛債権の場合、下限金額を下回り利用できないケースがあります。一方、大型の売掛債権の場合は、上限金額を超えてしまう可能性があります。自社の希望する金額に対応できるかどうかを事前に確認することが重要です。

下限金額は会社によって大きく異なり、30万円から設定している会社もあれば、数万円からの少額取引に対応している会社もあります。個人事業主や小規模企業の場合、少額から対応可能な会社を選ぶことで、柔軟な資金調達が可能となります。

上限金額については、数千万円から数億円まで幅広く設定されています。大型案件を扱う場合は、高額な買取実績がある会社を選ぶことをおすすめします。また、一部の会社では売掛債権の一部だけを買取することも可能です。必要な金額だけを調達できるため、手数料負担を抑えることができます。

申請に必要な書類

申請に必要な書類は、少ないほうが手続きがスムーズです。一般的に必要となる書類は、法人登記簿謄本、印鑑証明書、代表者の身分証明書、決算書、売掛債権の証明書類、通帳などの入金確認書類です。これらは基本的な書類であり、多くのファクタリング会社で共通して要求されます。

中には、取引先の財務諸表や事業計画書など、追加の書類を要求する会社もあります。このような場合、書類の準備に時間がかかり、スピーディーな資金調達の妨げとなる可能性があります。また、取引先に関する詳細な書類を要求されると、ファクタリングを利用していることが取引先に知られてしまうリスクもあります。

書類提出の方法も重要なポイントです。オンラインでの提出に対応している会社であれば、郵送や来店の手間が省けます。また、決算期を迎えていない新規創業企業でも柔軟に対応してくれる会社もあります。必要書類と提出方法について、事前に詳しく確認しておくことをおすすめします。

実績と信頼性

ファクタリング会社の実績と信頼性は、安全な取引を行う上で最も重要な要素です。業界での経験年数が長く、豊富な取引実績を持つ会社は、安定したサービスを提供してくれる可能性が高いです。また、上場企業のグループ会社や大手企業との提携実績がある会社も、信頼性の高い選択肢となります。

トラブル発生時の対応体制も確認すべきポイントです。専任の担当者が配置され、迅速なサポートが受けられる会社を選ぶことで、安心して取引を進められます。特に初めてファクタリングを利用する場合は、丁寧なサポート体制が整っている会社を選ぶことをおすすめします。

公式サイトに企業情報や取引実績が明確に記載されているか、オフィスの実在確認ができるかなども重要です。優良なファクタリング会社は情報を積極的に開示しており、訪問による面談にも対応してくれます。不透明な部分が多い会社は避け、実績と信頼性の確認できる会社を選択することが賢明です。

ファクタリング利用の流れ

ファクタリングを利用する際は、以下の流れで進んでいきます。

1.    相談
2.    申し込み
3.    書類提出
4.    審査
5.    契約
6.    入金

最初のステップとなるのが事前相談です。ファクタリング会社に対して、売掛債権の買取が可能かどうか、手数料はどの程度になるのかなどを確認します。この段階では複数の会社に相談し、条件を比較検討することが重要です。

次に正式な申し込みを行います。この時点で売却したい売掛債権の内容や、希望する資金調達額を具体的に伝えます。オンラインでの申し込みに対応している会社も増えており、24時間いつでも手続きを始められます。

申し込み後は必要書類を提出します。基本的に法人登記簿謄本や印鑑証明書、決算書類、売掛債権を証明する書類、通帳のコピーなどが求められます。スムーズな審査のためにも、事前に書類を準備しておくことをおすすめします。

書類提出後、ファクタリング会社による審査が行われます。審査では主に売掛先の信用力が重視されます。優良な会社であれば最短30分程度で審査結果が出るケースもありますが、通常は数日程度かかることが一般的です。

審査を通過すると契約締結となります。契約書の内容をしっかりと確認し、不明な点があれば必ず質問しましょう。特に手数料率や支払期日、債権譲渡に関する条件は慎重に確認する必要があります。

最後に入金が行われます。2社間ファクタリングの場合、最短即日での入金も可能です。一方、3社間ファクタリングは取引先への通知や承諾が必要となるため、入金までに1週間から10日程度を要します。

ファクタリングサービスの注意点


ファクタリングは便利な資金調達方法である一方で、利用にあたって注意すべき点も多く存在します。特に契約内容の確認や業者の選定には慎重を期す必要があります。

ここでは、トラブルを未然に防ぐために押さえておくべき重要なポイントについて解説します。

契約書の控えを必ず受け取る

ファクタリングの契約時には、必ず契約書とその控えが作成されます。しかし一部の業者では、経費削減などを理由に契約書を作成しないケースや、仮契約を理由に控えを渡さないケースが報告されています。こうした業者とは契約を避けるべきです。

契約書の控えは、後日トラブルが発生した際の重要な証拠となります。手元に契約内容を証明できる書類がなければ、不当な条件を追加されても対抗する術がありません。また、手数料や支払期日などの重要な条件を確認する際にも必要となります。

優良なファクタリング会社では、契約書の控えを当然のように提供します。もし控えを渡すことを拒否されたり、契約書自体を作成しないと言われたりした場合は、悪質な業者である可能性が極めて高いといえます。そのような業者との契約は避け、必ず契約書の控えを受け取れる会社を選びましょう。

償還請求権の有無を確認する

償還請求権は、売掛金の回収が不能になった場合に、ファクタリング会社が利用者に支払いを求める権利です。売掛先が倒産したり、支払い不能に陥ったりした際に、その損失を利用者が負担しなければならなくなります。資金繰りに困っている企業にとって、この追加負担は致命的なダメージとなる可能性があります。

本来、ファクタリングは売掛債権を売却する取引であり、回収リスクはファクタリング会社が負うべきものです。にもかかわらず償還請求権を設定する業者は、実質的な貸金業を装っている可能性があります。このような業者と契約を結んでしまうと、想定外の負担を強いられる危険性があります。

契約書の内容を確認する際は、償還請求権の有無を必ずチェックしましょう。優良なファクタリング会社では、償還請求権を設定していないケースがほとんどです。万が一、償還請求権が設定されている場合は、別の業者を検討することをおすすめします。

債権譲渡登記が必須ではないか確認する

2社間ファクタリングにおいて、債権譲渡登記はファクタリング会社にとって二重譲渡を防ぐ有効な手段です。しかし、利用者側にとってはデメリットの方が大きいといえます。まず、登記費用は利用者負担となることが多く、7,500円から15,000円程度の追加コストが発生します。

さらに、債権譲渡登記によって入金までの時間が遅くなる可能性もあります。即日での資金調達を希望していても、登記完了まで待たなければならないケースが少なくありません。また、登記情報は誰でも閲覧可能なため、取引先にファクタリングの利用が知られてしまうリスクもあります。

2社間ファクタリングでも、債権譲渡登記を必須としない業者は数多く存在します。急ぎの資金調達や、取引先への秘匿性を重視する場合は、債権譲渡登記が不要な業者を選ぶことをおすすめします。債権譲渡登記の必要性は事前に確認し、できるだけ負担の少ない取引を心がけましょう。

悪徳業者が存在する

ファクタリング業界には悪徳業者が存在し、被害を防ぐために金融庁も注意喚起を行っています。悪質な業者の特徴として、法外な手数料の設定や、担保・保証人の要求、不透明な契約内容などが挙げられます。中には闇金融まがいの業者も存在するため、業者選びには細心の注意が必要です。

見極めのポイントとして、会社の実在性や情報開示の透明性が重要です。優良な業者は企業情報やサービス内容を明確に公開し、オフィスも実在します。一方、悪質な業者は住所が架空であったり、法人口座を持っていなかったりするケースが多いです。

また、手数料が一般的な相場から大きく外れていないかも確認が必要です。2社間ファクタリングで20%以上、3社間ファクタリングで10%以上の手数料を請求される場合は注意が必要です。取引実績の少ない新規業者や、担当者との面談を避ける業者も警戒すべきでしょう。

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優良な企業を見極める方法

優良なファクタリング会社は、取引内容やサービスの提供方法に明確な特徴があります。企業選びの際は、取引の透明性や実績、担当者の対応など、複数の観点から総合的に判断することが重要です。

まず取引内容の透明性に着目しましょう。優良な企業は手数料の設定根拠や契約条件を明確に説明します。公式サイト上でも取引の仕組みや手数料の目安が具体的に記載されており、サービス内容や会社情報を確認しやすい状態になっています。

取引実績も重要な判断材料となります。長年の実績を持つ企業は、豊富な経験に基づいた適切なサービスを提供できます。特に業界特化型のサービスを展開している企業では、その業界特有の課題に対する深い理解と解決策を持っています。

法令順守の姿勢も見極めのポイントです。優良企業では、債権譲渡登記や償還請求権について明確な説明があり、必要以上の書類や担保を要求することはありません。また、取引先への通知や承諾の必要性についても、状況に応じて適切なアドバイスを提供します。

担当者の対応にも注目が必要です。経験豊富なスタッフが配置され、企業の状況や要望に合わせた丁寧な提案を行います。疑問点への迅速な回答や、トラブル時の柔軟な対応も期待できます。特に初めてファクタリングを利用する企業に対しては、より丁寧な説明とサポートを提供します。

ファクタリング以外の資金繰り改善方法

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支払い.comは、中小企業の資金繰り改善に特化したサービスです。通常の請求書払いをクレジットカード支払いに切り替えることで、最長60日間支払いを先延ばしにできます。審査や面倒な書類提出が不要で、最短60秒で手続きが完了するため、急な資金需要にも素早く対応できます。

利用の流れは非常にシンプルです。まず振込金額と口座情報を入力し、同時にカード決済を行います。その後、支払い.comが指定された口座に振込を実行します。最後に通常のカード利用と同様に、後日カード会社への支払いを行うだけです。手数料は一律4%と、ファクタリングと比較して割安な設定となっています。

サービス開始からわずか2年で35,000社以上の導入実績があり、個人事業主から1,000名を超える規模の法人まで、幅広い企業に利用されています。振込名義は自由に指定できるため、取引先に利用を知られることもありません。3Dセキュア(本人認証サービス)にも対応しており、セキュリティ面でも安心です。

セゾンインボイス

セゾンインボイスは、請求業務の効率化とキャッシュフロー改善を同時に実現できるBtoB向け後払い決済・請求代行サービスです。顧客情報と取引内容を入力するだけで、与信審査から請求書発行、入金確認、督促まですべてクレディセゾンが代行します。

最大の特徴は、最短翌日での入金が可能な点です。通常30日から60日かかる売掛金の回収を大幅に短縮できるため、運転資金の確保が容易になります。また、取引先の与信枠内であれば未払いが発生しても全額保証されるため、貸し倒れリスクを心配する必要もありません。

請求業務の効率化も見逃せないメリットです。毎月の請求業務が最短15分で完了するため、人員や時間の有効活用が可能となります。月額費用は0円で、手数料は業界最低水準の1.5%から5.5%に設定されています。コワーキングスペース運営会社や広告代理店など、多くの企業で導入実績があります。

ビジネスカードの活用

ビジネスカードは、経営者に余裕をもたらすツールとして活用できます。セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードなどの高機能なビジネスカードでは、支払いの先送りだけでなく、さまざまな特典やサービスを利用できます。

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カードの利用で貯まるポイントは、最大5円相当の価値があり、海外利用時にはポイントが2倍になります。また、JALのマイル還元率は最大1.125%となっており、出張時のコスト削減にも貢献します。国内外の空港ラウンジが無料で利用できるほか、海外旅行傷害保険は最高1億円、ショッピング保険は年間最高300万円が付帯されています。

法人カードの取得が難しい個人事業主でも、個人与信での審査が可能なため、比較的利用しやすいのが特徴です。プラチナ会員専用のコンシェルジュサービスも用意されており、ビジネスシーンでのさまざまなサポートを受けられます。追加カードは最大9枚まで発行可能で、会社の規模に応じた柔軟な運用ができます。

自社に合ったサービスを活用して資金繰りを改善しよう

資金繰りの改善には、さまざまな選択肢があります。ファクタリングは売掛債権を早期に現金化できる有効な手段の一つですが、それだけが解決策ではありません。自社の状況や必要性に応じて、最適なサービスを選択することが重要です。

ファクタリングの最大のメリットは、自社の業績に関わらず資金調達ができる点です。売掛先の信用力が基準となるため、債務超過や赤字決算の企業でも利用可能です。また、担保や保証人が不要で、最短即日での入金にも対応しているため、急な資金需要にも応えられます。

一方で、手数料が比較的高額になることや、悪質な業者が存在することには注意が必要です。業者選定の際は、手数料の透明性や実績、評判などを慎重に確認しましょう。特に、極端に高い手数料を要求したり、不当な契約を強要したりする業者は避けるべきです。

支払い.comセゾンインボイスといった新しいサービスも、資金繰り改善の有効な選択肢となります。これらは審査不要で即日利用可能なものや、請求業務の効率化も同時に実現できるものなど、それぞれ特徴的な機能を持っています。また、ビジネスカードの活用も、支払いの先送りだけでなく、さまざまな特典やサービスを受けられる点で魅力的です。

結論として、単一のサービスに頼るのではなく、複数の選択肢を組み合わせて活用することをおすすめします。自社のニーズや状況を見極め、最適な資金繰り改善策を選択していきましょう。