Wワークとは?副業・兼業・パラレルキャリアとの違いやメリット・注意点を解説
厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表するなど副業・兼業を推進している背景もあり、Wワークや副業・兼業という働き方が広まりつつあります。
Wワークは収入アップだけでなく、スキルの習得やキャリアアップにつながることが魅力のひとつです。
本記事では、Wワークとは何か、副業・兼業・パラレルキャリアとの違い、メリット・注意点、確定申告が必要なケースなどを紹介します。


働き方改革で注目される「Wワーク」とは?
Wワークとは、2つの仕事を掛け持ちする働き方のことです。
アルバイト、パート、派遣社員などの非正規雇用で2つの仕事を掛け持ちする「兼業」の意味で主に用いられます。
また、広い意味では、正社員として働きながら、終業後や休日に副業をするケースもWワークとして呼ばれることがあります。
Wワークが広がりを見せている理由のひとつには、厚生労働省が2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表するなど、副業・兼業を推進していることが挙げられるでしょう。
総務省「令和4年就業構造基本調査」によると、非農林業従事者のうち副業がある人は2022年の時点で305万人で、5年前の2017年に比べると60万人増加しました。
副業・兼業とWワークの違い
Wワークは、主に非正規雇用で2つの仕事を掛け持ちする兼業の意味で用いられます。
「Wワーク」は2つの仕事を掛け持ちする意味であるのに対し、「兼業」は2つ以上の仕事を掛け持ちすることです。細かな意味の違いはありますが、これらはほぼ同義の言葉として用いられます。
副業は、本業とは別に行うサブの仕事や事業を指す言葉です。例えば、正社員として働く傍ら、アルバイトやクラウドソーシングで働くことが副業として挙げられます。
Wワークは同程度の労力・収入の仕事に取り組むのに対し、副業では本業と比べると収入や労力は少なめであることが多いです。
パラレルキャリアとWワークの違い
パラレルキャリアとは、本業を持ちながら、収益の有無によらず自己実現や社会貢献など人生を豊かにすることを目的に第2のキャリアを築くことを指します。
例えば、以下のような活動を行っている方は「パラレルキャリアを築いている」といえます。
● 事務職を本業にしつつも、ミュージシャンとしてライブ活動をする
● サラリーマンとして勤務しつつ、趣味で描いた漫画を自費出版する
● 企業勤めの傍ら、週末に地域のNPO団体で子ども向けワークショップを運営する
Wワークは働き方を指すのに対し、パラレルキャリアはキャリアの築き方を指す言葉です。
Wワークではどちらも収入を得る仕事を行うのに対し、パラレルキャリアの第2のキャリアには趣味やボランティアなどの無償の活動も含まれます。
Wワークに向いている仕事
Wワークに向いている仕事には、以下のような例があります。
● 接客業(コンビニ、スーパー、飲食店など)
● オフィスワーク(コールセンター、データ入力など)
● 倉庫や工場での軽作業
● 単発の日雇い労働(引っ越し作業員など)
これらの仕事は時間や曜日などのスケジュール調整がしやすく、もう一方の仕事との両立がしやすい点が特長です。
Wワークでは、どちらか一方に負担が偏ると体力的・精神的に無理が生じる可能性があります。ご自身の生活や働き方のスタイルに合った仕事を選び、両方の仕事を継続できるバランスや組み合わせを見極めることが大切です。
Wワークをするメリット
続いてはWワークをするメリットについて解説します。これからWワークをしようと検討している方は、メリット・デメリットの両方を把握する必要があります。
Wワークをすべきなのか検討するために、まずはメリットから確認していきましょう。
収入が増える
収入が増えることは、Wワークの大きなメリットです。空いている時間に別の仕事に取り組んで複数の収入源を確保できれば、収入面で余裕が生まれて家計のやりくりがしやすくなります。
例えば、住宅購入や子どもの進学などで出費が増えるタイミングなどは、家計を補うためにWワークを検討する機会になるでしょう。
キャリアアップにつながる
Wワークは、収入を得る手段であると同時に、自身のキャリアを広げるチャンスにもなります。
本業とは異なる職種・業種に取り組むことで新しいスキル・知識を習得できるほか、実務経験を積むことで転職や独立に向けた準備にもなります。
実際にWワークを通じて希望業界へ転職したり、フリーランスとして独立を目指す人もいます。「まずはWワークで試してみる」という段階を踏むことで、ご自身に適した仕事かどうかを見極めやすく、リスクを抑えてキャリアの幅を広げられます。
人脈が広がる
Wワークを通じて複数の職場に関わることは、新たな出会いにつながります。
例えば、別の現場で知り合ったスタッフから、ほかの仕事を紹介してもらえたり、働きやすい職場の情報を得られることもあります。
人とのつながりが広がることで、仕事の幅が広がったり、次の勤務先を探す際の助けになるなど、今後の働き方にプラスになることがあります。
Wワークをするデメリット
Wワークにはさまざまなメリットがある一方で、デメリットも存在します。Wワークを検討している方は、デメリットも把握しておきましょう。
時間に余裕がなくなる
Wワークをすると、働く時間が増えるため、自由に使える時間が少なくなります。
シフトなど勤務時間の組み合わせによっては連勤になることもあり、家事や趣味に使える時間が確保しにくくなるかもしれません。
また、それぞれの仕事のシフトや勤務時間の調整が必要になるため、スケジュールの管理も難しくなります。
一方の予定に合わせてもう一方を調整する場面が生じることもあり、計画的に動かないと予定が重なってしまうこともあります。
今の仕事に影響が出る可能性がある
Wワークによって負担が増えると、今の仕事に集中しづらくなり、これまで通りのパフォーマンスを維持することが難しくなる場合があります。疲労が蓄積して集中力が低下すると、思わぬミスやトラブルを招くおそれもあります。
こうした影響を防ぐためにも、体調管理やスケジュールの調整を意識し、無理のない範囲で取り組むことが大切です。
Wワークをするうえで知っておくべき注意点
Wワークをするうえでは、確定申告・社会保険などあらかじめ知っておくべきことがあります。いきなりWワークを始めるのではなく、しっかりと知識をつけておきましょう。
所得が160万円を超えると所得税が発生する
給与収入のみの場合、年収が約160万円を超えると所得税が課税される可能性があります。Wワークで2ヶ所の勤務先から給与を受け取っている場合、それぞれの給与収入を合算した金額が対象です。
2025年から所得金額ごとの基礎控除額が見直され、所得が132万円以下の場合は48万円から95万円に変更されました。
また、給与所得控除の最低保障額は55万円から65万円に変更されています。
これにより、給与収入での所得税の非課税ラインは、従来の103万円から約160万円にまで引き上げられています。
副業が一定額を超えると確定申告が必要
2ヶ所以上から給与のお支払いを受けている方のうち、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える方は確定申告が必要です。
また、会社員の副業など、給与以外で雑所得、事業所得、配当所得、不動産所得などを得ていて、その所得金額の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
なお、確定申告が不要の場合も、住民税の申告は必要です。確定申告をすれば税務署から市区町村へ確定申告書の情報が通知され住民税額が決定されますが、確定申告をしない場合は別途申告手続きが必要です。
社会保険への加入要件を理解しておく
以下のいずれかに該当する方は、社会保険(厚生年金保険・健康保険)への加入が必要です。
● 1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上
● 従業員51人以上の企業などで働くパートやアルバイトなどで以下すべてを満たす場合
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・学生でない
・2ヵ月を超えて働く予定がある
同時に2ヶ所以上で勤務する際は、その両方で加入条件を満たす場合、両方で社会保険に加入することとなります。保険料はそれぞれの勤務先から受け取る給与の金額に応じて、分けて負担する形になります。
Wワークをして良いか就業規則を確認する
Wワークをする前に、会社の就業規則を確認しておきましょう。
労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的に労働者の自由です。ただし、本業に支障が出る、会社の秘密が漏洩する可能性があるようなケースでは、Wワークや副業・兼業を制限・禁止されることがあります。
Wワークをする前に、会社としっかり話し合っておきましょう。
Wワークで確定申告が必要なケース
Wワークでは、いくつかのケースで確定申告が必要になることがあります。Wワークで確定申告が必要な4つのケースについて、以下で解説します。
● 2ヶ所で給与をもらっていて1ヶ所で年末調整を受けている場合
● 2ヶ所で給与をもらっていて年末調整を受けていない場合
● 2ヶ所の両方で年末調整を受けている場合
● 給与以外の副業の収入が20万円を超える場合
2ヶ所で給与をもらっていて1ヶ所で年末調整を受けている場合
年末調整は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した1ヶ所の勤務先でのみ受けることになります。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、給与所得者が給与への扶養控除などを受けるための書類です。
年末調整を受けていない勤務先では源泉徴収が行われていても、年末調整による差額調整が行われていません。Wワークをして2ヶ所で給与をもらっている場合は、2ヶ所の給与を合算してあらためて所得税額を確定申告し、納税額を精算する必要があります。
2ヶ所で給与をもらっていて年末調整を受けていない場合
Wワークをしていてどちらの勤務先でも年末調整を受けていない場合、源泉徴収による納税のみが行われている状態となります。この場合は、確定申告をして納税額の差額を精算する必要があります。
2ヶ所の両方で年末調整を受けている場合
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を両方の勤務先に提出すると、2ヶ所の勤務先で年末調整を受けてしまうことになります。年末調整は本来1つの勤務先でしか受けられません。
2ヶ所の勤務先で年末調整を受けた場合は、控除の計算が重複するなど所得税の計算が正しく行われないため、確定申告が必要です。
給与以外の副業の所得が20万円を超える場合
給与以外の副業の所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。
本来納税する所得税と、源泉徴収や年末調整で納税した所得税との差額分を確定申告して納税する必要があります。
Wワークをするならビジネスカードの保有も検討しよう
実際にWワークをしてみると、さまざまな悩みが出てきます。例えば確定申告をしたことがないから不安、仕事とプライベートのお支払いが混同しやすいといった悩みがあります。
こうした悩みを解決するおすすめの方法が、ビジネスカードです。仕事に関係するお支払いはビジネスカードで決済すれば、お支払いを混同せず確定申告のときも手続きが楽になります。
また決済時には利用額に応じてポイントが貯まるので、貯まったポイントで事務用品を購入するといった使い方もできます。
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まとめ
Wワークは、2つの仕事を掛け持ちする働き方で、収入アップ、スキル習得やキャリアアップなどさまざまな目的で行われます。
Wワークを開始する際は、所得税や確定申告の基準、社会保険の加入要件、就業規則による制限などを事前に確認し、無理のない範囲で始めましょう。
Wワークを始めるなら、併せてビジネスカードを発行しておくと、支出の管理や確定申告のための仕訳などが楽になります。
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ぜひWワークの基本的な知識を知って、必要な準備を進めましょう。
(※)「アメリカン・エキスプレス」は、アメリカン・エキスプレスの登録商標です。(株)クレディセゾンは、アメリカン・エキスプレスのライセンスに基づき使用しています。
(※)Apple、Appleのロゴ、Apple Payは、Apple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。TM and © 2020 Apple Inc. All rights reserved.
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