法人税申告書とは?作成手順や必要な添付書類、提出期限をわかりやすく解説
法人税を申告する際には「法人税申告書」の作成が必要です。法人税申告書は「別表」と呼ばれる複数の書類で構成されています。
別表には、すべての法人が必ず提出しなければならない書類がある一方で、会社によっては提出不要な書類も含まれます。これらは内容や構造が非常に複雑で、完成までには多くの手間と時間がかかります。
本記事では、法人税申告書や別表の概要、作成手順をわかりやすく解説します。
法人税申告書には記載する内容が多く、完成までにはある程度の時間が必要です。本記事が担当者の方の業務負担の軽減につながれば幸いです。
法人税申告書とは?
法人は、所得に応じて「法人税」を納める必要があります。
ただし、税務署から通知が届くことはなく、法人が自ら計算を行い、税務署に申告をしなければなりません。
その際に用いられるのが「法人税申告書」で、会計上の利益を基に1年間の「課税所得」を算出し、法人税の税額計算を行うために必要な書類一式の名称です。
法人税申告書は、別表や付表で構成されており、別表1は「確定申告書」として用いられます。納税額の詳細を計算するための明細書は別表2以降で構成され、その数は100種類以上です。
法人税申告書を作成したあとは、本店所在地を管轄する税務署に提出します。あわせて、決算報告書・科目明細書・事業概況書・適用額明細書などの提出が必要です。
そもそも法人税とは?
法人税は、法人が事業によって得た各年度の所得に対して課される税金であり、課税義務者と納税者が同一である「直接税」に該当します。
課税対象としては株式会社、合同会社、協同組合、公益法人、公共法人などが挙げられます。法人税の金額については、法人の経営成績や規模によって異なります。
法人税申告書を構成する「別表」とは?
法人税申告書は数多くの別表で構成されており、それぞれの別表が異なる役割を担っています。
別表にはさまざまな種類があり、付表を含めると100を超えることもあります。
法人税額の申告書(別表1)に記載された法人税額が正しく計算されていることを示すために、別表2以降の書類や付表などが必要です。
なお、別表のなかには必ず提出しなければならない重要なものもあれば、会社によっては提出不要なものもあります。特に重要な別表を抜粋すると、以下のとおりです。
| 別表名 | 内容 |
|---|---|
| 別表1 | 各事業年度の所得に係る申告書 |
| 別表2 | 同族会社等の判定に関する明細書 |
| 別表3(1) | 特定同族会社の留保金額に対する税額の計算に関する明細書 |
| 別表4 | 所得の金額の計算に関する明細書 |
| 別表5(1) | 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書 |
| 別表6(1) | 所得税額の控除に関する明細書 |
| 別表7(1) | 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書 |
法人税申告書に必要な別表は、法人の活動内容や決算状況によって異なります。なかでも、別表1、別表4、別表5(1)、別表5(2)は申告の中心となる書類であり、別表2は同族会社等の判定が必要な場合に作成します。
これ以外の別表は、該当する項目が決算書に記載されている場合や、何かしらの税法上の規定を適用する場合などに用いられます。
法人税申告書の提出期限
法人税申告書の提出期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。
例えば、3月決算なら5月末日まで、9月決算なら11月末日までに法人税申告書を提出して税金を納付しなければなりません。
なお、特別な事情で申告期限の延長を申請した場合、提出期限は延長された期限内になります。
法人税申告書の提出期限を守らなかった場合
法人税申告書の提出期限を超過してから確定申告を行った場合、延滞税が発生します。
税務署からの指摘を受けるまで法人税の申告を放置した場合、税務調査の対象となるリスクがあるため、注意が必要です。
さらに、税務署の指示に従わない場合は督促が行われ、それにも対応しない場合は、財産の差し押さえなどの厳しい措置が科される可能性があります。
一部の条件に該当する場合は、提出期限後の申告や申告期限の延長ができる場合もあるため、詳細は本店所在地を管轄する税務署までご確認ください。
法人税申告書の作成手順
法人税申告書のおおまかな作成手順は、以下のとおりです。
1.別表6以降の表を完成させる
2.別表4に情報をまとめる
3.別表7への記載を行う
4.別表5(1)への記載を行う
5.別表1への記載を行い、法人税額などを確定する
6.別表5(1)、別表5(2)に税額を記載する
書類のフォーマットは、国税庁のWEBサイト『C1-1 法人税及び地方法人税の申告(法人税申告書別表等)』 からダウンロードが可能です。
ただし、法人税申告書の作成方法は非常に複雑なため、正しい手順を把握しておくことが重要です。
手順ごとに大まかな流れを解説するため、法人税申告書を作成する際の参考にしてください。
1.別表6以降の表を完成させる
初めに、減価償却費・交際費・繰延資産などの個別項目に関する計算書である「別表6」以降の書類を作成します(別表の詳細に関しては後述します)。
この工程は、各事項について会計上と税務上の損益の差額を明確にし、税務上の特例に関する情報を整理するために行われます。
2.別表4に情報をまとめる
作成した別表6以降には多岐にわたる項目や金額に関する情報が記載されます。
そこで、会計上と税務上の損益の差額を調整する「別表4」に、別表6以降で整理した内容を集約して記載します。
3.別表7への記載を行う
続いて、過去や現在の損失を処理するために「別表7」の記載を行います。
まず、過去に発生していた損失を当期利益と相殺する場合には、別表7に内容の記載が必要です。
また、当期以前に発生した損失について、青色申告の適用を受けている場合や災害損失である場合には、それを翌期に繰り越して将来の利益と相殺する旨を記載します。
また、別表7で過去の欠損金と当期の利益とを相殺した場合、前述した別表4において調整する必要があることを覚えておきましょう。
4.別表5(1)への記載を行う
「別表5(1)」は、別表4において調整された項目のうち、会計と税務の差異が将来解消されるものについて記載する書類です。
該当する内容がある場合は、別表5(1)に記載します。
5.別表1への記載を行い、法人税額などを確定する
これまでの内容を踏まえて「別表1」に記載し、法人税などの金額を算出して確定させます。
法人税の金額を算出したあとは、法人住民税や事業税などの地方税を計算し、税額を確定させて申告書に記入してください。
6.別表5(1)、別表5(2)に税額を記載する
「別表5(1)」、「別表5(2)」には税金を記載する欄があるため、これまでの工程で確定した税額を記載します。
なお、これまでの手順とは別に、株式会社の株主構成を記載して、会社が特定の株主およびその親族で構成されているかどうか(同族会社かどうか)を判断するための「別表2」を作成する必要があります。
法人税申告書の提出方法
法人税申告書の提出方法は、大きく分けて3パターンあります。
| 提出方法 | 特長 |
|---|---|
| e-Taxで電子データを提出 | ・オンラインで24時間いつでも法人税申告書の提出が可能 ・ただし、事前に電子証明書の取得などの準備が必要 |
| 郵送または信書便で提出 | ・郵送または信書便で法人税申告書を提出する方法 ・提出日は「消印日付」となるため、法人税申告書の提出期限までに余裕を持って提出することが大切 |
| 税務署に直接持参して提出 | ・本店所在地を管轄する税務署に直接持参して提出する方法 ・提出書類の不備などに不安がある場合に適しているが、開庁時間や受付までに待ち時間が発生する点に注意が必要 |
「e-Tax」を使った電子申告では、オンラインで24時間いつでも法人税申告書を提出できます。
税務署への持参や郵送準備の手間を省けますが、事前に電子証明書の取得などが必要な点には注意が必要です。
郵送または信書便で提出する場合、提出日は「消印日付」となります。消印日付が提出期限を超過した場合は、期限後申告の対象となってしまうため、気をつけましょう。
法人税申告書の提出期限が間近の場合や、提出書類に不安がある場合は、本店所在地を管轄する税務署に直接持参する方法もあります。
開庁時間や受付までに待ち時間が発生する可能性はありますが、窓口で提出書類に不足がないかを確認してくれるため安心です。
法人税申告書の作成準備にはクラウド型の会計・経費管理サービスがあると便利
法人税申告書の構造は非常に複雑であり、税額を算出するにはさまざまなことを考慮する必要があります。なかでも重要なのが、経費の計算です。
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まとめ
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この記事を監修した人

【保有資格】
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士







