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年末調整とは?計算方法や書き方・注意すべき3つの点についても解説

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年末調整とは?計算方法や書き方・注意すべき3つの点についても解説
年の瀬が近づき年末調整のシーズンが到来しました。年末調整には複数の申告書類があり、様式も数年おきに変更になるので、申告書類の記載内容のチェックは一苦労です。経営者や年末調整を担当する人にとって一大イベントになります。

本記事では年末調整の書き方や年末調整の注意点もご紹介します。滞りなく年末調整業務が終えられるよう、ぜひチェックしてみてくださいね。

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年末調整とは

年末調整とは、給与所得者の所得税を正しく計算して当年の所得税額を確定させる仕組みです。

従業員が納めるべき1年間の所得税と、従業員の給与・賞与から源泉徴収(天引き)した所得税の金額を比較して、所得税額の過不足を調整します。年末調整の対象となる給与所得者は、勤務先が代わって所得税の申告・納税を行うため、原則自ら確定申告を行う必要はありません。

年末調整では会社が税務署と市区町村に必要書類を提出する必要があります。税務署には「給与所得の源泉徴収票」「支払調書」「法定調書合計表」など、市区町村には「給与支払報告書」を提出します。提出期限は毎年1月31日です。

会社の年末調整担当は上記提出期限までに必要書類を作成するために、各種申告書類を従業員に配布して必要事項を記入してもらいます。従業員に申告書類を配布して回収する時期は会社によって異なりますが、11月頃に行うケースが多いようです。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告はどちらも所得税に関わる手続きなので、混同してしまう方もいますが、両者はまったく異なる手続きです。

年末調整は、毎月給料から天引きしている源泉所得税の合計と、本来支払うべき所得税を比較して、所得税の過不足を精算するために会社が行わなければならない手続きです。

一方で、確定申告は、所得税額を確定させるために、納税者本人が行わなければならない手続きです。

両者の手続きの意味の違いおよび、行う主体の違いについては、きちんと区別しておきましょう。

年末調整の必要性

給与所得者の給与・賞与から源泉徴収される所得税は「源泉徴収税額表」をもとに徴収される概算額です。社会保険料控除後の給与の金額帯と扶養親族の数に応じて、当月の源泉徴収額が決まります。

上記のような方法で源泉徴収された所得税額は年末調整で精緻に計算される所得税額と差額が出るのが一般的であるため、還付または追加徴収によって納税額を調整する必要があります。

年末調整の対象者

年末調整は原則給与を支払われているすべての従業員(正社員・アルバイト・パートなど)が対象となります。ただし以下に該当する方は年末調整の対象外となります。

・1年間の給与収入が2,000万円以上の方
・副業やアルバイトの掛け持ちなどで、ほかの勤務先で年末調整を行う方
・2ヵ月以上連続して雇用がない方(日雇いや2ヵ月未満の雇用など)

年末調整の期限

企業は、翌年1月31日までに前年の給与支払額を法定調書として税務署に提出し、同時に住民税計算のための給与支払報告書を市区町村に提出します。

また、年末調整で精算した源泉所得税の納付期限は翌年1月10日です。

● 源泉所得税の納付期限…翌年1月10日
● 年末調整の書類提出期限…翌年1月31日

上記の締切から逆算して年末調整のスケジュールを組むのが一般的で、毎年11月頃に従業員の申告書や証明書などを回収して、内容に不備がある場合は修正します。

そして、12月頃に年末調整の計算や、所得税の過不足分の還付、もしくは追加徴収などを行います。

年末調整のおおまかなスケジュールを簡単にまとめたので、参考にしてください。

年月 スケジュール
11月 ● 年内に支払う給与を確定
● 従業員に申告書や証明書を依頼して回収
● 回収した書類の修正に対応
12月 ● 年末調整の計算
● 計算結果によっては所得税の過不足分の還付、もしくは追加徴収
● 年末調整に関連した書類の準備
翌年1月 ● 1月10日までに源泉所得税の納付
● 1月31日までに年末調整関連の書類を提出
● 年末調整に関連した書類の整理と保管

年末調整における所得控除と税額控除

年末調整では一部の「所得控除」と「税額控除」の適用が受けられます。

所得控除とは、1年間の所得(収入から必要経費を差し引いた金額)から各納税者の個人的事情を加味した金額を差し引く制度です。

給与所得の場合、給与所得(給与収入から給与所得控除(※)を差し引いた金額)から所得控除を差し引いた金額が課税所得となり、金額に所得税率をかけて所得税額を計算します。所得控除の金額が大きいほど課税所得は少なくなるため、「間接的に」所得税額を抑える効果があります。

一方、税額控除とは所得税額から「直接」差し引くことができる制度です。

課税所得に所得税率をかけて計算した金額から税額控除の金額を差し引くことで、最終的な所得税額が決定します。間接的に所得税額を軽減する所得控除より、税額控除のほうが節税効果が大きくなるのが一般的です。

(※)給与所得者の必要経費にあたるもの。

年末調整で処理できる所得控除の種類

年末調整では従業員から回収した申告書類をもとに各種控除の金額を確定させる必要があります。年末調整で確定させることができる所得控除の種類は以下のとおりです。

・社会保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・障害者控除
・寡婦(寡夫)控除
・勤労学生控除
・配偶者控除
・配偶者特別控除
・扶養控除
・基礎控除
・ひとり親控除(令和2年分の所得税から適用)

年末調整で処理できる税額控除の種類

年末調整で処理できる税額控除は「住宅借入金等特別控除」です。住宅借入金等特別控除はマイホームの新築や購入、増改築などを行った際に一定の要件を満たせば税額控除を受けることができる制度です。

ただし、控除を受ける最初の年に確定申告が必要となり、2年目以降から年末調整で処理できるようになります。

年末調整に必要な書類と書き方

年末調整を行うためには、各種申告書類を従業員に配布して必要事項を記入してもらいます。年末調整業務の担当者は従業員に記載してもらう書類に不備や記載漏れがないかチェックするため、書類の種類とそれぞれの書き方を知っておく必要があります。

次項より、従業員に配布して記載してもらう代表的な年末調整の書類と書き方を解説します。

①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、下記の控除を受けるための申告書になります。

● 扶養控除
● 障害者控除
● 寡婦(寡夫)控除
● ひとり親控除
● 勤労学生控除

上記の控除は従業員本人、または生計を一にする配偶者・扶養親族で一定条件に当てはまる場合に受けることができる控除です。

上段部に給与所得者の氏名と住所などを記入して捺印します。本申告書は以下3つの欄に分かれます。

「主たる給与から控除を受ける」欄
従業員本人が扶養する家族の氏名・個人番号・続柄・生年月日・個人番号・所得・住所・異動月日および事由などを記載します。本欄は次の3つの欄に分かれています(※)。

● A.源泉控除対象配偶者
● B.控除対象扶養親族(16歳以上)
● C.障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生

(※)C欄の障害者は本人が該当する場合もある

「D.他 の所得者が控除を受ける扶養親族等」欄
対象者の氏名・個人番号・続柄・生年月日・住所・控除を受けるほかの所得者の氏名・続柄・住所などを記載します。

「住民税に関する事項」欄
本情報は所得税額への影響はありませんが、住民税の非課税基準額の算定の際に必要となります。

「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄に対象者の氏名・個人番号・続柄・生年月日・個人番号・所得・住所・異動月日および事由などを記載します。また、「16歳未満の扶養親族」欄に記載される対象者は扶養控除の対象にはなりません。

なお、扶養親族に該当する人の年齢は、年末調整を行う年の12月31日時点での年齢が重要になります。年末調整用の書類を作成している時点で15歳でも、12月31日時点で16歳になるなら、「16歳未満の扶養親族」に含まれません。

②給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

本項の申告書は下記の控除を受けるために必要になります。

● 配偶者控除
● 配偶者特別控除
● 基礎控除
● 所得金額調整控除

令和元年分までは「給与所得者の配偶者控除等申告書」でしたが、所得税法改正に伴い令和2年分より様式が変更となりました。(3様式の兼用様式)

上段部に給与所得者の氏名と住所などを記入して捺印します。

本申告書は「給与所得者の基礎控除申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」「所得金額調整控除申告書」の3つの欄に分かれます。

給与所得者の基礎控除申告書
基礎控除を受けるための申告書です。令和元年まではすべての人が一律38万円の基礎控除を受けることができましたが、令和2年分より所得に応じた金額が控除されます。

まず従業員本人の給与所得と給与所得以外の所得を記入して、その当年の合計所得金額の見積額を算出します。その金額をもとに控除額の計算表より該当する基礎控除額を記入します。

控除額の計算表

所得金額 基礎控除額
900万円以下 48万円
900万円超 950万円以下
950万円超 1,000万円以下
1,000万円超 2,400万円以下
2,400万円超 2,450万円以下 32万円
2,450万円超 2,500万円以下 16万円

給与所得者の配偶者控除等申告書
「配偶者控除」「配偶者特別控除」を受けるための申告書です。

● 配偶者控除…納税者本人と配偶者が特定の条件を満たした場合、一定金額が控除される
● 配偶者特別控除…配偶者控除の条件を満たせなかった場合でも、段階的に控除を受けられる

配偶者控除とは、所得者が控除対象配偶者を有する場合に、所得者本人の所得金額の合計額から38万円(配偶者が老人控除対象配偶者の場合は48万円)を限度として、所得者の合計所得金額に応じた金額を控除できる制度です。

一方配偶者特別控除とは、所得者が生計を一にする配偶者(合計所得金額が133万円以下の人に限る)で控除対象配偶者に該当しない方を有する場合に、所得者本人の所得金額の合計額から38万円を限度として、所得者の合計所得金額と配偶者の合計所得金額に応じた金額を控除できる制度です。

給与所得者の配偶者控除等申告書を作成する際は、次の手順に従って行いましょう。

1. 配偶者の氏名・生年月日・個人番号・生年月日などを記載
2. 配偶者の給与所得と給与所得以外の所得を記載
3. 一年間の合計所得金額の見積額を算出
4. 見積額と年齢によって配偶者控除か配偶者特別控除の片方が適用される
5. 給与所得者の合計所得に応じて控除される金額が決定

控除額は当申告書内の控除額の計算表を用いて判定します。

なお、配偶者控除、配偶者特別控除ともに合計所得金額が1,000万円超の方は配偶者控除を受けることができません。また、夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることもできません。

所得金額調整控除申告書
「所得金額調整控除」を受けるための申告書です。所得金額調整控除は、一定の給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定金額を給与所得の金額から控除できる制度です。

令和2年分の所得税から新設されました。給与所得控除額の改正(一律10万円の引き下げと上限額の引き下げ)が背景となっています。

年末調整で適用されるのは「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」です。本控除は当年の給与の収入金額が850万円を超える給与所得者で、次のいずれかに該当する方が受けられます。

イ:本人が特別障害者に該当する者
ロ:年齢23歳未満の扶養親族を有する者
ハ:特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者

本控除は、同一生計内のいずれか一方のみの所得者にしか適用する制限はありません。

例えば、夫婦ともに給与の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族である子がいるような場合には、夫婦双方が控除の適用を受けることが可能です。

申告書に記載のある該当する要件にチェックを付け、扶養親族の氏名・個人番号・生年月日・続柄・所得金額(見積額)を記入します。(上記イに該当する場合は不要)

また特別障害者欄の「特別障害者に該当する事実」欄に、障害の状態または交付を受けている手帳などの種類と交付年月日、障害の程度(障害の等級)などの特別障害者に該当する事実を記載する必要があります。(上記ロに該当する場合は不要)

当申告書に所得金額調整控除の額を記載する欄はありませんが、計算方法は以下のとおりです。

所得金額調整控除額
={給与の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円)-850万円}×10%
*1円未満の端数は切り上げ

③給与所得者の保険料控除申告書

給与所得者の保険料控除申告書は下記の控除を受けるために必要な申告書です。

● 生命保険料控除
● 地震保険料控除
● 社会保険料控除(申告分)
● 小規模企業共済等掛金控除(申告分)

・生命保険料の支払い:生命保険料控除
・地震保険料の支払い:地震保険料控除
・給与から天引きされている以外の社会保険料:社会保険料控除(申告分)
(例:大学生のこども子供の国民年金保険料、過去に免除・猶予を受けていた国民年金保険料の追納など)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出、企業型確定拠出年金で自ら拠出した掛金(給与天引きでないマッチング拠出):小規模企業共済等掛金控除(申告分)

申告書上段部に給与所得者の氏名と住所などを記入して捺印します。つぎに各種控除ごとに記載欄が設けられているので、対象となる保険の種類や支払った保険料、控除金額などの情報を記入します。

なお、当申告書では支払った保険料の証明のために下記の証明書を添付する必要があります。

● 生命保険料控除証明書
● 地震保険料控除証明書
● 社会保険料控除証明書
● 小規模企業共済等掛金控除証明書

申告書といっしょに原本を従業員に提出してもらいましょう。

④給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を年末調整で受けるための申告書です。前述のとおり、本控除は適用初年度は従業員本人が確定申告を行う必要があるため、年末調整で処理できるのは適用2年目以降となります。

本申告書は、該当者が初めて住宅ローン控除を受けるために確定申告をした年の10月頃に税務署から送られてきます。当申告書の記入は、次の手順に従って行いましょう。

1. 申告書上段部に給与所得者の氏名と住所などを記入して捺印
2. 中段部に住宅ローンの年末残高の記載欄を指示どおりに記入
3. 上記の内容を基に住宅借入金等特別控除額を算出して記入

なお、当申告書には年間所得の見積額の記入も必要です。年間所得が3,000万円を超える場合は住宅ローン控除を受けることができません。

申告書下部には「年末調整のための(特定増改築)住宅借入金等特別控除証明書」として、初めて住宅ローン控除を受ける年に自身が確定申告した内容があらかじめ印字されているので、記入する必要はありません。

本申告書には借入を行った金融機関が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の添付が必要となります。申告書といっしょに従業員に提出してもらいましょう。

年末調整で過不足が発生する理由

年末調整で所得税に過不足が発生する主な理由としては、受けられる控除の金額に変更が生じたから、ということが挙げられます。

例えば、配偶者控除を踏まえて計算していたにも関わらず、配偶者が配偶者控除および配偶者特別控除の範囲を超える収入を得ると、年末調整で過不足が発生することになります。

また、年度の途中で子どもが生まれたなどの理由で、受けられる控除の種類や金額が替わった場合も、年末調整で過不足が発生するでしょう。

生命保険料控除や地震保険料控除を受ける場合も、年末調整で過不足が生じる理由として考えられます。

年の途中で年末調整が必要になるケース

年の途中で年末調整が必要になるケースとしては、主に以下のようなケースが挙げられます。

● 従業員が死亡したため退職した場合
● 従業員が海外の支店などに転勤した場合
● 従業員が心身障害によって退職し、同年内に再度勤務に復帰するのが困難であり、かつ年度内に給与・報酬を受け取る場合
● 従業員が12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した場合

これらのケースのいずれかに当てはまる場合は、本来のタイミングとは異なるタイミングで年末調整を行う必要があります。

「従業員が海外の支店などに転勤した場合」は、出国時に年末調整を行い、それ以外の場合は退職時に年末調整を行うことになるので、それぞれ適切なタイミングで年末調整を行うことを心がけましょう。

年末調整で注意したい3つのポイント

会社の年末調整担当が年末調整の業務を行うにあたって、いくつか注意したいポイントがあります。スムーズに業務が行えるよう確認しておきましょう。

注意点①:年末調整を怠った企業にはペナルティがある

年末調整の対象者を持つ事業主は年末調整を行うことが法律で義務付けられています。条件を満たしていればアルバイトやパート従業員も年末調整の対象となります。

年末調整を怠った企業には10年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科される可能性があるので、注意が必要です。年末調整の対象となる従業員の条件をシーズン前にチェックしておくことをおすすめします。

注意点②:年末調整に使った書類は7年間保存する必要がある

年末調整に使った書類は7年間保存する義務があります。厳密には提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間となります。

保存すべき書類の種類は以下のとおりです。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・従たる給与についての扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
 (平成29年分以前は「給与所得者の配偶者特別控除申告書」)
・給与所得者の基礎控除申告書(令和2年分以降)
・給与所得者の保険料控除申告書
・所得金額調整控除申告書(令和2年分以降)
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
・給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

年末調整に使った書類は税務署から請求されたら提出しなければなりません。いざ請求されて慌てて探さなくてもよいように、しっかり管理しておきましょう。

注意点③:年の途中に入社した従業員は前職の源泉徴収票が必要

年の途中で退職して当年のうちに別の会社に転職した人は、転職先で年末調整を受けることになります。年の途中で転職してきた従業員は、前職の源泉徴収票(原則、原本)を添付しないと年末調整を受けることができません。

上記のような従業員がいる場合は、忘れずに前職の源泉徴収票を回収しておきましょう。

年末調整で不備があった場合の対処法

年末調整では、企業は1月31日までに所轄の税務署に、法定調書を提出する必要があります。

そのため、年末調整に不備があった場合でも、その期限に間に合うのであれば、やり直しは可能です。

ただし、源泉所得税の納付は1月10日までなので、1月31日を待たずして源泉徴収票を発行する企業もあります。

源泉徴収票が発行されてからでは、書類の訂正や年末調整のやり直しを行うことは、できません。

その場合は、従業員自身に確定申告を行ってもらう必要があります。

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よくある質問

以下では、年末調整でよくある質問に回答します。

Q1 年末調整が免除される方法はあるのか?

年末調整は、会社の規模や設立年数にかかわらず、手続きをする義務があります。条件を満たしている従業員がいるなら、起業したばかりのスタートアップでも行わなければいけません。

なお、年末調整の対象とならない従業員は、次のようなケースになります。

● 1年間の給与収入が合計2,000万円を超える方
● 2ヵ所以上から給与の支払いを受けており、ほかの勤務先に扶養控除等(異動)申告書を提出している方
● 年の中途で退職した方
● 非居住者
● 一定の条件を満たす日雇労働者

Q2 12月に入社した従業員の年末調整は必要か?

12月に入社した従業員が居る場合は、12月31日までに給与が発生するならば年末調整を行い、発生しないなら年末調整は必要ありません。

なお、年末調整を行う際は、前職の源泉徴収票(原則、原本)が必要になるので、従業員に伝えておきましょう。

また、12月に退職した従業員は、年内に転職先の企業で給与を受けられるかどうかで、次のパターンに分かれます。

● 転職先企業で年内に給与を受けられる…転職先企業で年末調整を行ってもらう
● 転職先企業で年内に給与を受けられない…自身で確定申告を行う

年末調整を受けなかった給与は、所得税を多く納めている可能性があるため、転職先が決まらずに退職する従業員には確定申告を行うと還付される可能性があることを説明しておきましょう。

Q3 海外で働く従業員の年末調整で気をつけることは?

従業員が海外の支店に転勤した場合、1年以上働くなら非居住者扱い、1年未満であれば居住者扱いとなり、次のパターンに分かれます。

● 居住者(海外勤務が1年未満)は年末調整を行う必要がある
● 非居住者(海外勤務が1年以上)は、1月1日~12月31日までずっと海外にいるなら、年末調整を行う必要はない

ただし、非居住者が年の途中で出国、あるいは帰国した場合は、該当する年の年末調整を行う必要があります。

例えば、年の途中で1年以上の予定で海外に転勤する非居住者の場合は、年の1月1日~出国日までに支給した給与・賞与に対して出国時に年末調整を行うことになります。

一方で、年の途中で帰国した非居住者は帰国日から年末までの総額で年末調整を行います。

まとめ

まとめ

年末調整は従業員を雇う会社の義務です。正しく漏れなく年末調整を行うためには、申告書類の書き方を理解しておく必要があります。

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この記事を監修した人

安田 亮
安田 亮
京都大学3回生在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務し、その後2018年9月に神戸市中央区で独立開業。税理士業務だけでなく、連結決算などの会計コンサルティング業務も行なう。また、1級FP技能士とCFP(R)の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。お客様により具体的なアドバイスを行なうために、自らも家計管理・株式投資・節税など日々実践している。

【保有資格】
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士