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法人住民税とは?特徴や計算方法、法人税や法人事業税との違いを解説

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株式会社として法人登記をしている会社は、毎年「法人税」「法人住民税」「法人事業税」の3つの税金を納付しなければなりません。これらの税金は、名前が似ているため混同されやすいですが、課税される対象や納付先がそれぞれ異なります。

本記事では、法人を運営するうえで避けて通れない3つの税金のうち、法人住民税をメインに解説します。各税目の違いや計算方法について詳しく解説するので、経営者や会計担当者の方はぜひご参考にしてください。

法人住民税とは?

法人住民税は、法人が事業所のある地方自治体に対して納める「地方税」です。

私たちは、個人として住んでいる都道府県に対して住民税を支払っています。住民税には、「道路や警察・消防などの公共サービスにかかる費用を、それを利用する住民が共同で負担する」課税の目的があります。

法人住民税も同じように、「法人も公共サービスの恩恵を受ける代わりに、事業所がある地方自治体に対して納税の義務を負う」目的で課税されています。

なお、法人の所得に対して課される税金にはほかにも法人税や法人事業税があり、これら3つをまとめて「法人税等」と呼びます。

法人住民税の計算方法

法人住民税は、「法人税割」と「均等割」によって構成され、2つの合計額によって算出されます。計算式で表すと、以下のようになります。

「法人住民税 = 法人税割 + 均等割」

つまり、法人住民税の金額を知るには、まず法人税割と均等割の金額を求めなければいけないということになります。

法人税割

法人税割は、法人税の金額を基に算出・課税されます。具体的には、法人税額に法人の規模によって決められている税率をかけて計算します。

「法人税割 = 法人税額 × 税率」

税率は、一定の基準を超えている法人には「超過税率」が適用され、それ以外の法人には「標準税率」が適用される自治体が多くなっています。

令和8年時点の法人税割の標準税率は以下のとおりです。

区分 標準税率(都道府県民税) 標準税率(市町村民税)
令和元年9月30日までに開始する事業年度 3.2 9.7
令和元年10月1日以降に開始する事業年度 1.0 6.0

参考:『地方法人税の税率の改正のお知らせ

法人住民税には、都道府県に対して納める「都道府県民税」と、市町村に対して納める「市町村民税」の2種類があり、それぞれ異なる標準税率が設定されています。

なお、超過税率に関しては各自治体によって異なり、東京都に関しては10.4%(※)に設定されています。

※令和元年10月1日以降に開始した事業で、23区内に事業所がある場合。なお、この税率は他の都道府県でいう「道府県民税」と「市町村民税」を合わせた税率です。

均等割

均等割は、法人の資本金や従業員数などに応じて納税額が決まります。

均等割は、各自治体ごとに税額が決まっています。以下は、令和8年時点で東京23区に本社を置く会社に課される均等割の税額を記載した表です。

法人の区分 主たる事業所等が所属する特別区 従たる事業所等が所属する特別区
都道府県税相当 市町村税相当 都道府県税相当 市町村税相当
資本金等の額
1,000万円以下
従業員数50人以下 20,000 50,000 - 50,000
従業員数50人超 20,000 120,000 - 120,000
資本金等の額
1,000万円超〜1億円以下
従業員数50人以下 50,000 130,000 - 130,000
従業員数50人超 50,000 150,000 - 150,000
資本金等の額
1億円超〜10億円以下
従業員数50人以下 130,000 160,000 - 160,000
従業員数50人超 130,000 400,000 - 400,000
資本金等の額
10億円超〜50億円以下
従業員数50人以下 540,000 410,000 - 410,000
従業員数50人超 540,000 1,750,000 - 1,750,000
資本金等の額
50億円超〜
従業員数50人以下 800,000 410,000 - 410,000
従業員数50人超 800,000 3,000,000 - 3,000,000

参考:『均等割額の計算に関する明細書

このように、均等割は資本金の金額や従業員数が多い法人ほど課税額が高くなります。こうして法人税割と均等割の金額がわかったら、両者の額を合算することによって法人住民税額を求めることができます。

ただし、先ほども軽く触れたとおり、法人税割を求めるためにはまず法人税の金額を算出しなければなりません。続いて、法人税の概要と計算方法について見ていきましょう。

法人税について

法人税について

法人税は、事業活動によって生じた所得に対して課される税金で、法人税等のなかで唯一「国税」に分類されます。

法人税の主な特徴は2つあります。ひとつめは、税金を納める対象と負担する対象が同一である「直接税」である点。2つめは、課税方式に「比例税率(固定税率)」を採用している点です。

法人税の計算方法

法人税の金額は、以下の計算式によって算出します。

「法人税 = 所得 × 法人税率」

法人税で課税対象になる「所得」とは、純粋な収益のことではありません。この場合の所得は、企業会計における収益(売上高、販売高など)である「益金」から、売上原価や販売費などの「損金」を差し引いた金額を指します。

なお、法人税は所得に対して課税されるため、赤字の場合は発生しません。あくまで収益があるときだけ課税されると覚えておきましょう。

法人税率
同じ所得に対して課税される税金には、個人の所得に対して課される「所得税」があります。両者は同じ課税方式を採用していると思われがちですが、実際は異なります。

所得税の場合、税率には所得額が多いほど課税額も増える「累進課税」が適用されます。一方の法人税は、所得の金額ではなく、法人の規模や所得金額によって税率が決まる比例税率が適用されます。

以下は、2025年4月1日以後に事業を開始した法人の税率です。

区分 法人税率
普通法人 資本金1億円以下の法人など(※) 年800万円以下の部分 適用除外事業者以外 15%
(17%(※))
適用除外事業者 19%(※)
上記以外の普通法人 23.20%
公益法人等 公益法人等とみなされているもの 年800万円以下の部分   15%
(17%(※))
年800万円超の部分   23.20%
協同組合等 年800万円以下の部分   15%
(17%(※))
年800万円超の部分   19%
人格のない社団等 年800万円以下の部分   15%
(17%(※))
年800万円超の部分   23.20%

参考:『法人税の税率
※詳しくは国税庁のサイトをご確認ください。

法人事業税について

法人事業税は、法人が地方自治体(都道府県)に対して支払う「地方税」です。「法人が事業を行う際に利用する公共サービスや公共施設に必要な経費の一部を負担する」のが課税の目的です。

法人事業税が法人住民税と異なる点としては、「課税標準」が挙げられます。課税標準とは、税額を計算する際に基礎となる課税対象をいいます。法人住民税では「法人税額」「資本金」「従業員数」の3点が課税標準となり、法人税と法人事業税では「所得」が課税標準になります(資本金1億円超の法人は除く)。

法人税等の税額は、基本的にはこの課税標準に税率を乗算すると求めることができます。

法人事業税の計算方法

法人事業税は、以下の計算式によって求められます。

「法人事業税 = 所得 × 法人事業税率」

法人事業税率は、事業開始年度や法人の種類、所得額などによって数値が決まります。また、各都道府県によっても税率が異なるため、申告する際は自治体のウェブサイトなどで最新の情報を確認しましょう。

なお、法人事業税も法人税と同じように、赤字の場合は課税されません。

以下は、東京都の法人事業税率です。

区分 法人事業税率
普通法人 年400万円以下の所得 3.5%
年400万円超〜年800万円以下の所得 5.3%
年800万円超の所得 7.0%
特別法人 年400万円以下の所得 3.5%
年400万円超の所得 4.9%

※2022年4月1日以後に事業を開始した場合の税率

参考:『法人事業税・法人都民税

法人事業税は損金算入が可能

法人税等のなかで、法人事業税だけが「損金算入」することが可能です。

損金算入とは、法人が収益を得るために費やした費用を、損金(必要経費や減価償却費など)として計上することをいいます。損金算入をすることで、しない場合よりも税額を低く抑えられる可能性が高くなるため、節税手段のひとつとして利用されています。

税金でありながら費用としても計上できるのは、法人事業税の特徴のひとつです。

赤字の場合でも法人住民税は発生するか

法人税等のうち、法人税と法人事業税は「所得」を基準に計算するため、収益が出ていない赤字の場合は支払う必要がありません(資本金1億円超の法人は除く)。それでは、法人住民税についてはどうでしょうか。

前述したように、法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2つによって構成されています。このうち法人税割に関しては、法人税額を基準に算出されるため、赤字の場合は発生しません。

一方の均等割の場合は、収益ではなく法人の規模や従業員数などに応じて納税額が決まるため、たとえ赤字であっても支払う義務があります。

・法人税割…法人税額を基準に算出するため、赤字の場合は支払わなくて良い
・均等割…法人の規模や従業員数を基に納税額が決まるため、赤字でも支払う必要がある

3つの税金の違いを一覧表で比較

これまで解説してきた情報を基に、3つの税金の納付先や課税標準などを一覧表にまとめました。

税金の種類 納付先 課税標準 赤字の場合 損金算入の可否
法人住民税 地方自治体 法人税(法人税割)、資本金、従業員数(均等割) 支払義務あり
(均等割の部分のみ)
不可
法人税 国(税務署) 所得 支払義務なし 不可
法人事業税 地方自治体 所得 支払義務なし

法人住民税の税制改正について

法人住民税の税制改正について

平成25年と平成28年に行われた税制改正により、法人住民税および法人税の内容が一部変更になりました。ここでは、変更された内容のなかで特に重要な2点について紹介します。

利子割の廃止

平成25年度の税制改正により、平成28年1月1日以後に支払いを受ける利子について、利子割(預金利息などから徴収する5%の地方税)が廃止されました。

また、これにともない、法人税割額から利子割額を控除する制度も廃止されました。

参考:『平成25年度税制改正の大綱

法人住民税率の改正

平成28年度の税制改正により、法人住民税の法人税割の税率が「5.9%」引き下げられました。引き下げられた税率の内訳は、都道府県分が「3.2%→1%」の2.2%、市町村分が「9.7%→6%」の3.7%となります。

また、この引き下げ相当分で、以下の表のように地方法人税(国税)の税率が5.9%引き上げられました。なお、これらの改正は令和元年10月1日以後に開始する事業年度から適用されています。

課税事業年度 地方法人税の税率
令和元年10月1日前に開始した課税事業年度 4.4%
令和元年10月1日以後に開始する課税事業年度 10.3%

法人住民税を納めるならクレディセゾンのクレジットカード

法人税等のうち、国税に分類される法人税は「国税クレジットカードお支払サイト」で納税することができます。法人住民税と法人事業税は地方税のため、クレジットカード払いに対応しているかどうかは各自治体によって異なります。

税金の支払方法には、現金に納付書を添えて支払う方法もありますが、金融機関や税務署の窓口まで出向かなくてはいけないため手間がかかります。その点、クレジットカード払いなら、オンラインで24時間いつでも納税できるうえに、納税額に応じてカードのポイントも付与されるのでお得です。

2016年度の税制改正以降、クレジットカード払いが可能な自治体は増加傾向にあります。例えば、東京都なら「都税クレジットカードお支払サイト」という専用サイトで納税できます。

ただし、クレジットカードで納付すると、税額に応じて決済手数料がかかるので注意が必要です。東京都の場合、以下の表のように税額10,000円ごとに73円(消費税抜)の手数料が加算されます。

納税額 決済手数料
1円〜10,000円 73円(消費税込80円)
10,001円〜20,000円 146円(消費税込160円)
20,001円〜30,000円 219円(消費税込240円)
30,001円〜40,000円 292円(消費税込321円)
40,001円〜50,000円 365円(消費税込401円)

(※)以降、納税額が10,000円増加するごとに手数料73円(消費税抜)が加算されます。

参考:『地方税お支払サイト

こちらの項目では、クレディセゾンから発行されているクレジットカードのなかから、法人住民税などの税金のお支払いに最適なビジネスカードを紹介します。

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よくある質問

次項より、法人住民税に関するよくある質問に順番に回答します。

Q1 法人住民税とは?

法人住民税は、法人が事業所のある地方自治体に対して納める「地方税」です。

Q2 法人税の計算方法は?

法人税の金額は、「法人税 = 所得 × 法人税率」の計算式によって算出します。

まとめ

法人住民税は、法人税割と均等割の2つの税金の合計額によって算出されます。これらの税金の税率や税額は、各自治体によって異なるため、税金を申告する際は事業所がある自治体のウェブサイトなどで事前に確認しておきましょう。

また、法人住民税などの税金はクレジットカードで納付すると、ネットでいつでも手軽に手続きができるうえに、納税額に応じてカードのポイントも付与されるのでおすすめです。

税金の支払いをクレジットカードに切り替えようとお考えの方は、JALのマイルがお得に貯まるセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス(R)・カードをぜひご検討ください。

(※)「アメリカン・エキスプレス」は、アメリカン・エキスプレスの登録商標です。(株)クレディセゾンは、アメリカン・エキスプレスのライセンスに基づき使用しています。

この記事を監修した人

安田 亮
安田 亮
京都大学3回生在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務し、その後2018年9月に神戸市中央区で独立開業。税理士業務だけでなく、連結決算などの会計コンサルティング業務も行なう。また、1級FP技能士とCFP(R)の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。お客様により具体的なアドバイスを行なうために、自らも家計管理・株式投資・節税など日々実践している。

【保有資格】
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、公認会計士、税理士