クラウドファンディングとは?メリット・デメリットややり方、成功させるポイントを解説
誰でも挑戦しやすく、金融機関から融資を断られた案件でも資金を調達できる可能性があることから、日本でも資金調達方法のひとつとして認知度が高くなってきています。
本記事では、クラウドファンディングの種類やメリット・デメリット、やり方などをわかりやすく解説します。
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、英語の「crowd(群衆)」と「funding(資金調達)」を組み合わせた造語です。
金融機関からの融資やローン、国からの助成金など、一般的な資金調達の方法とは異なり、インターネット上で自分のやりたいことをプレゼンし、その想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる不特定多数の方から資金を調達する方法です。
2000年代にアメリカでクラウドファンディングに関連するウェブサイトが開設されたことによって市場が拡大した経緯もあり、アメリカなどでは、すでに資金調達のひとつの手段として一般的になりつつあります。
日本にもクラウドファンディングに関連する会社はいくつかあり、申請前に相談などが可能なため、利用を検討する際は公式サイトで確認しておくと良いでしょう。
クラウドファンディングと融資・寄付の違い
融資は、クラウドファンディングと違い、資金の返済が必要になる点が特徴です。
また、クラウドファンディングで資金調達をする場合は利用サイトの審査に通過する必要がある一方、融資は金融機関の審査に通過しなければいけない、という違いがあります。
寄付は、資金の返済が不要な資金調達方法で、クラウドファンディングや融資と違って審査はありません。「社会問題の解決に向けて活動するための寄付を募る」などのように、社会貢献活動を行う場合の資金調達方法に適しています。
クラウドファンディングはいつできた?
現在のクラウドファンディングのもととなる仕組みは古くから存在します。17世紀初頭に書籍編集者のジョン・テイラー氏が書籍印刷費用の寄付を募ったのが、現在のクラウドファンディングの原型とされています。
また、1884年には、自由の女神の台座を建設するためにクラウドファンディングの仕組みによる資金調達が行われました。
自由の女神像製作委員会は、自由の女神の台座用の建設資金を切らしてしまったため、アメリカ大衆に寄付を募り、結果として約6ヵ月で10万ドルの寄付を集めることに成功しました。
また、クラウドファンディングのウェブサイトは、2001年に「ArtistShare」が運営を開始したのが始まりとされています。その後、2008年に「Indiegogo」、2009年に「Kickstarter」など世界最大クラスのサービスも設立されました。
日本では、2011年に、READYFOR、CAMPFIRE、MOTIONGALLERYが登場し、以降、数多くのクラウドファンディングサイトが設立されています。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには、大きく分けて「非投資型」と「投資型」の2種類があります。
非投資型と投資型のクラウドファンディングの主な違いは、リターンの内容です。非投資型はリターンとして商品やサービスを受け取れる一方で、投資型は金銭的なリターンを受け取れます。
また、クラウドファンディングの種類は、非投資型・投資型という大枠のなかでさらに細分化されています。非投資型と投資型に分類されるクラウドファンディングの種類は以下のとおりです。
| クラウドファンディングの種類 | |
| 非投資型 | 購入型 |
| 寄付型 | |
| ふるさと納税型 | |
| 投資型 | 融資型 |
| ファンド投資型 | |
| 株式投資型 | |
クラウドファンディングの利用を考えている方は、各種類で特長がどう異なるのか把握しておきましょう。以下では、クラウドファンディングの種類ごとに特長を紹介します。
購入型
支援した金額に応じて、モノやサービスをリターンとして受け取れるクラウドファンディングです。
商品の開発や生産のための費用を事前に支援者から集めて、受注販売のような形で提供します。商品の需要を調べる目的でプロジェクトが作られることもあります。
寄付型
支援者がプロジェクトに対してお金を寄付する仕組みのクラウドファンディングです。
お礼の手紙などを受け取れる場合もありますが、基本的には金銭、モノ、サービスなどのリターンはありません。
寄付型のクラウドファンディングは、災害支援やボランティア活動への寄付などのプロジェクトが多い傾向にあります。
ふるさと納税型
自治体が解決したい課題をプロジェクト化して、寄付を集めるタイプのクラウドファンディングです。所得税や住民税が一部軽減される点は支援者にとって大きなメリットといえます。
クラウドファンディングではないふるさと納税と比べると、目的やお金の使い道が明確なのが特徴です。プロジェクトによっては返礼品がリターンとして用意されています。
融資型
融資を受けたい企業と、融資をしたい個人をマッチングする金融型のクラウドファンディングです。
小口で支援者から集めた資金は、大口化して企業に融資され、一定期間経過後に分配金とともに支援者にリターンされます。
日本においては「ソーシャルレンディング」として知られている仕組みです。
ファンド投資型
事業に対して出資を募るクラウドファンディングです。支援者は、売上の一部を分配金として受け取れます。
売上によっては、元本割れのリスクがある点には注意が必要です。リターンについては、事業で生産されたモノやサービスを受け取れることも多いです。
株式投資型
企業の非上場株式への出資を募るクラウドファンディングです。リターンとして非上場企業の未公開株を取得できます。
運用のリスクは高いですが、配当金が得られる可能性や、将来的に大きな売却益が得られる可能性があります。一度出資すると資金の回収は簡単ではないので、出資の判断は慎重に行う必要があります。
【起案者側】クラウドファンディングのメリットとデメリット
クラウドファンディングは、資金調達の手段として有効ではあるものの、デメリットがないわけではありません。
ここでは、クラウドファンディングで支援を受ける側(起案者)のメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
クラウドファンディングの起案者の主なメリットは下記のようなものがあります。
・誰でも手軽に挑戦できる
・金融機関などで融資を断られた案件でも資金調達できる可能性がある
・多額の資金調達も期待できる
・融資やローンと違い返済のリスクが少ない
クラウドファンディングは、金融機関からの融資やローンとは違い、支援という形式のため、条件が示されている場合を除いては、基本的に返済の義務がありません。そのため、誰でも挑戦できる点が最大のメリットといえます。
また、クラウドファンディングはインターネット上でPRするため、拡散性が高く、ファン作りにも期待ができます。さらに、企業の場合はテストマーケティングとして活用することも可能です。
デメリット
クラウドファンディングの起案者の主なデメリットには下記のようなものがあります。
・目標金額を調達できるかわからない
・目標金額に達しなかった場合は資金調達ができないこともある(種類によって異なる)
・資金調達までの期間が長く、管理コストが高くなる可能性がある
・プロジェクトが実行されない場合は支援者に説明や返金の対応をしなくてはいけない
・利用手数料がかかる
クラウドファンディングは、誰でも気軽に挑戦できる一方、賛同を得られなければ、まったく資金調達ができないケースもあります。
また、金融機関の融資と違い、資金調達までの期間が長くなるため、管理コストが高くなる可能性もあります。
【支援者側】クラウドファンディングのメリットとデメリット
クラウドファンディングの起案者のメリットとデメリットを紹介しましたが、当然、支援者側にもメリットとデメリットがあります。
ここでは、クラウドファンディングの支援者側のメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
クラウドファンディングの支援者の主なメリットは以下の3つです。
・社会貢献や応援するプロジェクトへの貢献によって満足度を得られる
・魅力的なリターンが期待できる
・プロジェクトで社会とつながる
クラウドファンディングは、起案者のプロジェクトに共感して支援を行うことができるため、満足度の高い出資ができ、魅力的なリターンも期待できることが最大のメリットです。
また、金融型のクラウドファンディングであれば、資産運用としても活用することができます。
デメリット
続いて、クラウドファンディングの支援者の主なデメリットを見ていきましょう。
・プロジェクトが実行されない可能性がある
・基本的にキャンセルはできない
・資金を本来の使途で使えないケースが発生する場合もある
クラウドファンディングは、出資金に対して保証があるわけではありません。
例えば、支援したプロジェクトが実行されなかったり、リターンとして期待していたモノやサービスを受け取れなかったりしても、お金が返ってくるわけではありません。
基本的に一度支援をしてしまうとキャンセルができない(金融型であれば条件によりキャンセルできる場合もあります)ので、よく検討してから支援先を選ぶようにしましょう。
また、金融型のクラウドファンディングに関しては、投資としての側面があるため、貸し倒れのリスクがあります。
なお、クラウドファンディングは、支援者の支払方法として基本的にクレジットカードが使えます。クレジットカードは、利用金額に応じてポイントの還元を受けられるため、おすすめの支払方法です。
起案者がクラウドファンディングを行う流れ
起案者がクラウドファンディングを行う場合、以下の流れに沿って行動するのが一般的です。
1. 戦略を考える
2. プロジェクトページを作る
3. 審査が行われる
4. クラウドファンディングを開始する
クラウドファンディングを行う流れを以下で詳しく紹介します。
戦略を考える
まずは「誰のために何の課題を解決するのか」を明確にするところから始めましょう。出資が集まる有意義なプロジェクトにするためにも、目的を初めに明確にしておくことが大切です。
加えて、「どんな文章で支援者を募るのか」「目標金額はいくらにするのか」「どんなリターンなら魅力を感じてもらえるのか」などの具体的な部分も考えておきましょう。
プロジェクトページを作る
プロジェクトの中身が決まったら、クラウドファンディングサイトにアクセスし、会員登録を済ませたうえでプロジェクトページを作っていきましょう。
目標金額、プロジェクトの概要、画像の選定、リターンの設定などの必要事項を入力します。
審査が行われる
プロジェクトページを完成させ、申請をすると、運営元による審査が行われます。利用規約などに基づき掲載可否が確認されます。審査結果は1週間以内に届くことが多いです。
クラウドファンディングを開始する
審査に通過すると、実際にクラウドファンディングを開始できます。
プロジェクトページを公開できたことを確認したら、SNSやプレスリリースなどで周知を行いましょう。
支援者がクラウドファンディングで支援する流れ
支援者がクラウドファンディングで支援をするときの流れも確認しておきましょう。クラウドファンディングで支援をする主な流れは以下のとおりです。
1. クラウドファンディングサイトを閲覧して支援するプロジェクトを選ぶ
2. 必要事項を入力し手続きを完了させる
3. リターンを受け取る
以下で詳しい内容を紹介します。
クラウドファンディングサイトを閲覧して支援するプロジェクトを選ぶ
クラウドファンディングサイトを閲覧して、支援したいプロジェクトがあるかどうかチェックしてみましょう。
どんな目的・活動のプロジェクトなのか、支援者にはどんなリターンがあるのか、現在の支援者数はどれくらいなのかなどを確認し、支援したいプロジェクトがあれば「支援する」「購入する」などのボタンから手続きに進みましょう。
必要事項を入力し手続きを完了させる
支援をしてリターンを受けるための手続きとして、お届け先の住所、名前、電話番号などの必要事項を入力し、決済方法の選択を行います。
正確に情報を入力し、手続きを完了させましょう。
リターンを受け取る
手続きが完了した後は、起案者からのメッセージや活動報告を確認しながら、リターンの受け取りを待ちましょう。
特にメッセージについては、リターンの発送などの連絡が届くこともあるので、見逃さないようにチェックしておいてください。
万一、予定日を超えてもリターンが届かない場合には、届け先の情報を再確認し、誤りがない場合は起案者にメッセージで確認を取りましょう。
クラウドファンディングの資金調達方式は2種類
クラウドファンディングの決済方式は、主に「All or Nothing方式」と「All in方式」の2種類があります。
All or Nothing方式は、募集期間中に目標金額まで支援金が集まった場合に起案者は資金を受け取ることができ、目標金額に達しなかった場合はいっさい資金を受け取ることができない決済方式です。
一方、All in方式は、目標金額の達成にかかわらず、必ず決済が実行されるため、起案者はプロジェクトの実施を確約する必要があります。
なお、クラウドファンディングは、プロジェクトの発案と応募に関しては費用を必要としませんが、基本的に資金の受け取りの際に手数料が必要になります。
クラウドファンディング会社によって手数料は異なるため、事前に確認することをおすすめします。
クラウドファンディングで資金調達を成功させるポイント
クラウドファンディングを行う際は、資金調達を成功させるために以下4つのポイントを意識しましょう。
● 魅力のあるリターンを提供する
● 宣伝に力を入れる
● プロジェクトの具体的な計画を公表する
● 途中経過はこまめに共有する
これらのポイントを押さえたうえでクラウドファンディングに取り組めば、支援者の増加や信頼の獲得などに期待できます。
以下でそれぞれのポイントを詳しく解説します。
魅力のあるリターンを提供する
クラウドファンディングを成功させるには、魅力的なリターンを提供することが重要です。
支援者が「欲しい」と思うリターンを提供すると、支援してもらえる可能性がより高まります。リターンを用意するだけでなく、リターンを得ることの具体的なメリットも紹介すると魅力が伝わりやすくなるでしょう。
また、リターンは複数用意しておくのがおすすめです。魅力的なリターンが複数あれば、より多くの支援者にプロジェクトをアピールできます。
宣伝に力を入れる
クラウドファンディングを成功させるためには、より多くの人々にプロジェクトの存在を知ってもらう必要があります。プロジェクトの認知度を高められるよう、積極的に宣伝を行いましょう。
プロジェクトの宣伝方法の例としては、以下のようなものが挙げられます。
● SNSの活用
● プロジェクト紹介動画の作成
● インフルエンサーに宣伝を依頼
● プロジェクトの詳細や背景を記載した記事の作成
● メールマガジンの送付
● WEB広告による宣伝
なお、宣伝はプロジェクトが始まる数週間前から行っておくのが良いとされています。
プロジェクトの具体的な計画を公表する
クラウドファンディングを行う際はプロジェクトの目的だけでなく、目的達成までの計画も公表しましょう。
具体的にどのような方法でプロジェクトを実現するのかを共有することで、支援者はプロジェクト成功までの道筋をイメージしやすくなります。計画を共有したうえで「現実的に達成可能」と判断されれば、支援される可能性も高まります。
反対に「この計画だとプロジェクトが失敗しそう」と判断された場合、支援はされにくいです。計画を公表する前に、客観的に見て「このプロジェクトは成功しそう」と思える内容になっているかどうかチェックしましょう。
途中経過はこまめに共有する
プロジェクトの進行状況や支援状況などは、定期的に報告することをおすすめします。
現在の状況をこまめに報告することで、プロジェクトの支援者からの信頼感が増します。
また、プロジェクトが上手くいっている場合、支援者は「自分の支援が役立っている」という達成感を得ることができ、今後もファンとして応援してくれる可能性が高まります。
クラウドファンディングで事業を始めるならビジネスカードも検討しよう
クラウドファンディングで事業を始めようと考えているなら、経費のお支払い用のカードとしてクレディセゾンのビジネスカードを1枚持っておくと経費の管理が楽になります。
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各カードで、補助⾦・助成⾦コンサルティングサービスの優待やセゾンビジネスサポートローンも利用可能です。それぞれのカードの特長を紹介します。
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| ポイント還元率 | 海外利用で2倍(※1)(※2) |
| スマホ決済 | Apple Pay、Google Pay™、QUICPay |
| 追加カード | 年会費3,300円/枚(税込)で9枚まで発行可能 |
| 主な特典 | ・コンシェルジュ・サービス ・プライオリティ・パスに年会費無料で登録可能 ・セゾン弁護士紹介サービス ・法人向け顧問弁護士サービス「リーガルプロテクト」ご優待 ・各種のビジネスサポート特典 |
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まとめ
クラウドファンディングは、資金調達の手段として日本でも広く知られてきています。
一般的な資金調達と違い、インターネット上で不特定多数の方から少額の資金を調達する方法のため、共感してくれる方が多ければ多額の資金を調達することも可能です。
ただし、クラウドファンディングにはメリットとデメリットがあるため、種類や決済方式などを理解して、利用を検討するようにしましょう。
(※)「アメリカン・エキスプレス」は、アメリカン・エキスプレスの登録商標です。(株)クレディセゾンは、アメリカン・エキスプレスのライセンスに基づき使用しています。
(※)Apple、Appleのロゴ、Apple Payは、Apple Inc.の商標です。iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。TM and © 2025 Apple Inc. All rights reserved.
(※)Google Pay 、Google Pay ロゴ、Google Play 、Google ロゴ、Android はGoogle LLC の商標です。
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