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開業届を提出する際の必要書類や必要なものを紹介!書き方や提出の手順、修正方法も解説

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開業届を提出する際の必要書類や必要なものを紹介!書き方や提出の手順、修正方法も解説
個人事業主として開業するためには開業届の提出が必要です。開業して青色申告すると、最大65万円の控除や特典が受けられるメリットがあります。

しかし、いざ提出となると、開業届の書き方や必要な書類などわからないことも多いかもしれません。

本記事では、開業届の書き方、必要書類、提出方法などを詳しく解説します。スムーズに開業の申請を行うための必要な知識を確認しましょう。

また、開業をするのであれば、ビジネスカードの利用を検討してみましょう。おすすめのビジネスカードは「開業する予定の方はビジネスカードを利用しよう」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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開業届を提出するタイミング

開業届は、新たに事業を開始した日から1ヵ月以内に提出する届出です。

開業届の提出は所得税法第229条に定められているので、新たに事業を始めた方は必ず提出します。開業届の提出が遅れてしまうと、提出までの期間に事業で使った費用も経費として計上できないケースもあります。事業を開始したタイミングで早めに提出を済ませておきましょう。

また、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出すると、確定申告で青色申告が可能になり、特別控除が受けられたり、赤字の繰り越しができたりなどさまざまなメリットがあります。

●開業届が必要になる青色申告制度とは?

青色申告とは確定申告の制度の1つです。確定申告の方法には青色申告と白色申告の2種類があり、次のようにメリットとデメリットが異なります。

  メリット デメリット
青色申告 青色申告特別控除で最大65万円の控除を受けられる
配偶者や親族を従業員として雇用した場合の給与を必要経費として算入できる
純損失を3年間繰り越せる
事前申請が必要
複式簿記が必要なので経理作業が複雑になる
白色申告 事前申請は不要
簡易簿記で申請できるので経理作業が簡単
控除額は10万円

特別控除や特典など、青色申告のほうが得られるメリットが大きいです。開業届を出すときに「青色申告承認申請書」の項目の「有」のほうにチェックをいれておけば、青色申告で確定申告が行えます。

そのため、開業届を提出する際は、青色申告の事前申請も一緒に行うと良いです。なお、開業届を提出時に事前申請を行わなかった場合は、青色申告を希望する年の3月15日までに青色申告承認申請書をe-Taxで提出すれば、確定申告時に青色申告が可能になります。

開業届の提出に必要な書類

開業届の提出に必要な書類は、マイナンバーカードの有無によって、次のとおり異なります。

マイナンバーカード 必要な書類
持っている場合 個人事業の開業・廃業等届出書
マイナンバーカード
持っていない場合 個人事業の開業・廃業等届出書
マイナンバーが確認できる書類(通知カード、住民業の写し、住民票記載事項証明書など)
本人確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険証など)

開業届の提出と同時に青色申告をする場合に必要なもの

青色申告をする場合は、上記の書類と合わせて「青色申告承認申請書」の提出も必要です。青色申告をするには複式簿記での記帳が必要になりますが、最大65万円の特別控除が受けられるなど税制面で大きなメリットがあります。

青色申告の詳細は下記の記事で解説をしています。
青色申告とは?白色申告との違いは?申請の条件や控除の内容、提出書類などまとめて解説!

開業届の書き方と提出の手順

開業届の書き方と提出の手順

開業届の提出の手順としては、国税庁のサイトから用紙をダウンロードし、必要事項を記入のうえ、税務署に提出する流れとなります。開業届の書き方も含めて、提出の手順をひとつずつ確認していきましょう。

1.開業届を入手する

開業届は、下記の国税庁のページからPDFでダウンロードできます。印刷して記入を進めていきましょう。
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続(国税庁)

国税庁のページ以外に、税務署で用紙を受け取ることも可能です。最寄りの税務署に直接取りに行っても良いでしょう。

2.開業届を書く

開業届が入手できたら、実際に記入を進めていきます。記入項目は以下です。

①提出先と日付
提出先の税務署、提出する日の年月日を記入します。提出先は納税地を管轄する税務署です。

管轄する税務署がわからない場合は、税務署に問い合わせるか、国税庁のウェブサイトの関連ページより確認してください。

②納税地
自宅や事務所の住所を納税地として記入します。納税地を自宅にして別で事務所を構える場合や、納税地を自宅以外の事務所の地域にする場合は「上記以外の住所地・事業所等」の欄に住所を記入します。

原則、納税地は住所地です。そのほかにする場合は特例となり、別途「所得税・消費税の納税地に変更に関する届出書」の提出が必要です。

③氏名・生年月日・個人番号・職業
氏名、生年月日、個人番号、職業を記入します。個人番号はマイナンバーカードなどで確認できます。屋号がなければ空欄にします。

④届出の区分
新規での開業の場合は開業に〇をしてほかは空欄にします。事業を引き継いだ場合のみ住所と氏名を記入します。

⑤所得の種類
不動産から所得を得る場合は不動産所得、山林による所得は山林所得となります。そのほかは事業所得となります。

⑥開業・廃業等日
開業日を記入します。

⑦事業所等を新増設、移転、廃止した場合/廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
新規での開業の場合は記入不要です。

⑧開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
青色申告承認申請書や課税事業者選択届出書も提出する場合は「有」にチェックをします。

⑨事業の概要
事業内容を具体的に記入します。

⑩給与等の支払いの状況
従業員を雇用する場合の記入項目です。専従者は家族従業員、使用人は家族以外の従業員を指しています。人数と給与の定め方(月給、日給、ボーナス)を記入します。

⑪源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無
源泉所得税は原則として徴収した日の翌月10日が納期限ですが、給与の支給人員が常時10人未満の場合は特例で年2回にまとめて納付できます。こちらの制度を利用するための申請書の提出の有無を問う項目となります。

⑫給与支払を開始する年月日
従業員への給与の支払いを開始する年月日を記入します。

⑬関与税理士
顧問税理士がいる場合は、氏名・電話番号を記入します。

3.税務署に郵送 or 持参で提出

開業届の提出先は、住所地を管轄する税務署となります。国税庁の税務署の所在地などを知りたい方(国税庁)のページから確認できます。受付時間は8:30〜17:00までで、時間外や税務署の閉庁日では時間外収受箱に投函して提出が可能です。

実際に税務署に持参しての提出のほか、郵送での提出も可能です。必要書類を添付のうえ、管轄の税務署宛に郵送します。

郵送の場合には、本人確認書類は「本人確認書類(写)添付台紙」にマイナンバーと身元を確認するための書類を添付して提出します。本人確認書類(写)添付台紙は番号制度に係る税務署への申請書等の提出に当たってのお願い(国税庁)からダウンロードが可能です。

また、「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」での電子申告も可能です。個人事業の開業・廃業等届出、法人設立届出も青色申告の承認申請もe-TAXから申請可能です。

e-Taxを利用するには、事前準備としてマイナンバーカードの発行やICカードリーダライタが必要となりますが、確定申告でもe-Taxが使えるので導入を検討してみるのも良いでしょう。

開業届の控えは必ず受け取り保管する

開業届を提出する際は必ず控えを受け取り、大切に保管しましょう。税務署の受領印が押印された開業届の控えは、個人事業主の証明書代わりとなります。

開業届の控えの受取方法は下記のとおりです。提出方法別に解説します。

提出方法 受取方法
持参 ・開業届を提出する際に、開業届の控えを添付する
・提出時に受付で控えに受領印を押印してもらい、受け取る
郵送 ・開業届を郵送する際に、開業届の控えと返信用封筒を同封する
・税務署が押印のうえ控えを返送してくれる
e-Tax ・持参や郵送と異なり、書面での控えは受け取れない
・e-Taxソフトに届く「受信通知」と送信した開業届の申告データをプリントアウトし保管する

開業届の控えが必要となる場合

開業届の控えは、下記のようなケースでコピーの提出を求められる場合があります。

●事業資金の融資
●屋号での事業用銀行口座の開設
●小規模企業共済への加入
●給付金や補助金の申請

個人事業主は法人のように登記手続きを行わないため、法人での登記事項証明書や登記簿謄本のような証明書がありません。

開業届の控えは、個人事業が実際に行われていることを証明する重要な書類です。

開業届の提出と一緒にやっておくべき手続き

開業届の提出と同時や直後にやっておきたい手続きは以下のとおりです。

● 青色申告承認書の届出
● 青色事業専従者給与の届出
● 給与支払事務所等の開設の届出
● 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

ただし、上記の届出のうち、青色事業専従者給与の届出、給与支払事務所等の開設の届出、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は給与を支払う場合に提出する書類なので、事業内容によっては不要です。

また、青色申告承認書の届出は開業届を提出後にe-Taxから申し込むこともできます。

開業届の内容の変更や修正方法は?

開業届に記載されている内容は以下のとおりです。

● 納税地
● 氏名
● 生年月日
● 個人番号
● 職業
● 屋号など

上記のなかで手続きが必要なのは納税地のみです。ほかの部分で変更や修正が必要になった場合は、確定申告時に新しい氏名や屋号などを記入すれば、自動的に変更や修正が行われます。

転居や事務所の変更などで納税地を変えたい場合は、異動後の納税地を記載した所得税、あるいは消費税の申告書を確定申告等作成コーナーで作成して、e-Taxで提出します。つまり、納税地の異動も確定申告の際に行えば良いです。

ただし、年の途中で自宅を引っ越しした、あるいは事務所の場所が変わって送付物を引っ越し先に送ってほしい場合は、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する申出書」を作成してe-Taxで提出します。

なお、納税地の異動と変更には次のような違いがあります。

  概要
納税地の異動 納税地を新しい住所に変える
納税地を新しい居所に変える
納税地を新しい事業所に変える
納税地の変更 納税地を住所地から居所地に変える
納税地を住所地や居所地から事務所に変える
納税地を居所地や事務所から住所地に変える

例えば、東京都新宿区の自宅を納税地としていた方が、渋谷区に引っ越す場合は納税地の異動です。納税地を新宿区の自宅から渋谷区の事務所に変える場合は、納税地の変更にあたります。

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よくある質問

最後に、開業届に関するよくある質問を解説します。開業届提出の際の参考にお役立てください。

Q1 開業届はどのような場合に提出が必要?

開業届の対象は「事業所得や、不動産所得・山林所得を生ずべき事業などを開始した方」です。事業の開始のほか、事務所や事業所の新設・増設・移転・廃止の際にも必要となります。

Q2 開業届の控えを紛失した場合はどうしたら良い?

開業届の控えを紛失した場合は、開業届を提出した税務署へ「保有個人情報開示請求書」を提出し、開業届の開示請求を行いましょう。請求の際に「写しの交付」を選択すると、開業届の写しを受け取れます。

Q3 事業で人を雇用する場合に必要なものは?

事業で人を雇用する場合には「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。また、「青色事業専従者給与に関する届出書」や「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」が必要となるケースもあります。

まとめ

開業届の書き方や必要書類などを解説しました。

開業から1ヵ月以内に開業届の提出が必要です。開業届と一緒に青色申告承認申請書を提出しておくことで青色申告が可能になり、最大65万円の特別控除や特典などを受けられるメリットがあります。

提出の手続きは流れを理解すれば難しいところは少ないので、開業したタイミングですぐに提出を済ませておくのがおすすめです。ぜひ参考に開業の手続きを進めてみてください。

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この記事を監修した人

竹下 昌成
竹下 昌成
竹下FP事務所代表、㈱メディエス代表取締役、TAC専任講師。兵庫県西宮市在住、昭和46年生まれ。立教大学卒業後、池田泉州銀行、日本GE、タマホームなどを経て現職。タマホームFPとして600件超のFP相談実績あり。サラリーマン投資家として不動産賃貸業をスタート、それだけで生活できるようになったので卒サラ。現在は大家業をメインに講師や執筆活動、相談業務でのんびりと過ごしています。得意分野は不動産投資や住宅購入など。お気軽にご相談ください。

【保有資格】
CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー