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飲食店が使える補助金・助成金を税理士が解説 協力金や給付金との違いも

飲食店が使える補助金・助成金を税理士が解説 協力金や給付金との違いも

昨今、新型コロナウイルスの影響を受けた飲食店のニュースを目にしない日はありません。
営業時間の短縮による大幅な売上減少の結果、店舗の経営状況は悪化し、閉店に追い込まれてしまう…。このようなケースは後を絶ちません。

政府や自治体は各種補助金や協力金を支給していますが、十分ではありません。
この危機を乗り越えるための対策をいぶき総合会計事務所の代表税理士・西守正希さんに解説していただきました。

<監修>
いぶき総合会計事務所 代表税理士・西守正希
いぶき総合会計事務所 代表税理士・西守正希2013年開業。創業支援から法人税務、個人税務、相続、事業承継、ファイナンシャルプランニングなど、幅広く業務を展開。経営者が抱える不安や悩みを解消すべく、同じ目線に立ったわかりやすいアドバイスを心掛ける。
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助成金・補助金・協力金・給付金の違い

助成金や補助金、協力金という言葉をよく聞きますが、それぞれ違いがあります。
補助金や助成金は細かいものを含めると、7,000種類以上あるといわれています。コロナ禍ではない通常期でも活用でき、特定の経費を支払った場合にその一部を補填する制度なので、店舗経営に役立ちます。

助成金:主に厚生労働省が管轄する「雇用や人材育成のための支援金」
補助金:主に経済産業省が管轄する「事業を継続、促進させるための支援金」

補助金の方が種類は豊富で、支給額が大きいのが特徴です。

  助成金 補助金
主な管轄 厚生労働省 経済産業省
目的 雇用促進・人材育成 事業の継続、促進
金額規模 補助金よりも少ない
数十万~数百万円
助成金よりも多い
数百万円~
受給条件 要件を満たしていれば、受給できる可能性が高い 要件を満たしていても審査で落とされる可能性がある
公募期間 長期間(通年が多い) 短期間(1週間~1ヶ月程度)

一方で、協力金・給付金とは経費の一部を補助するものではなく条件を満たしていれば支払われるものです。

協力金:自治体や政府の要請に従った際に支払われるもの
例. 新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金
給付金:経済的に困窮した事業者を救済するために支払われるもの
例. 持続化給付金、家賃支援給付金など

飲食店におすすめしたい助成金・補助金

ここでは、飲食店におすすめしたい代表的な助成金・補助金を解説します。

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは新型コロナウイルスの影響により、事業活動の縮小を余儀なくされた場合、従業員の雇用維持のために休業手当などの一部を助成する制度です。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。有期雇用から正規雇用への転換の場合には一人あたり57万円が支給されます。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは新型コロナウイルスの影響で「業態を変えざるをえない」「新規事業にチャレンジする」といった事業者のための補助金です。最大1億円まで支給されます。

※上限金額は通常枠6,000万円、卒業枠1億円。中小企業は「通常枠」に該当、「卒業枠」とは中小企業を卒業して、中堅企業・大企業へと成長することを応援する特別枠

小規模事業者持続化補助金

小規模事業持続化補助金は、中小企業や個人事業主が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに対して経費の一部を支援する制度です。一般型と低感染リスク型ビジネス枠の2種類あります。
一般型は最大50万円、低感染リスク型ビジネス枠は100万円が上限です。

小規模事業者持続化補助金のほかに低感染リスク型ビジネス枠として設けられた補助金としてIT導入補助金があります。こちらは非対面、非接触のためのツールを導入した場合などに、最大450万円が支給されます。

補助金と助成金は必ず支給される?

補助金は事前に膨大な事業計画書を提出する必要があり、それが採択されないと支給されません。この「採択率」は補助金の種類によっても異なりますが、事業計画が地に足のついた現実的な計画になっており、かつ、公募要領の要件を満たすように立てられているかが重要です。
前述した小規模事業者持続化補助金の採択率は約41%です。20~30%の補助金も珍しくない中、この採択率は決して低いわけではありません。また、銀行融資を今後検討する際、補助金を担保として審査が通りやすくなるメリットがあります。

一方、助成金は要件を満たしていれば基本的に支給されます。もれなく対象となる助成金の方が活用しやすいと言えるでしょう。

補助金と助成金は、併用できないものもあるため注意が必要です。

助成金も補助金も資金繰りの根本的な解決にはならない

助成金も補助金も資金繰りの根本的な解決にはならない

飲食店経営のような薄利多売、つまり集客が落ちると資金繰りが厳しくなりやすい業種の場合、資金調達においては根本的な解決策が必要です。

先ほども説明しましたが、助成金は少額ではありますが条件を満たしているようであれば積極的に活用を検討したほうが良いでしょう。

ただし、助成金を受けることを目的とした無計画な雇用条件の引き上げは、人件費の増大に繋がり、かえって資金繰りを圧迫する要因になりますのでご注意ください。

補助金は高額支給も見込めますが、あくまで将来の事業成長を目的としており、要件などのハードルも高いため、足元の資金繰りを解決するためのものではありません。

つまり、資金繰りを安定させるためには、助成金や補助金に頼り切るのではなく、経営者による日々の管理が重要となってきます。

第1に日々の収支表をつくること

経営者が店舗の収支表作成や、キャッシュフローの管理をしていないケースはしばしば見られます。特に飲食店では、経営者自身が店舗に出ていることも多く、なかなか時間が取れないかもしれません。
しかし、店舗における毎日のお金の“出入り”はしっかりと把握しましょう。
難しく考える必要はなく、家計簿のようにノートに書くだけでも十分です。肝心なのは、日々の記録を継続的に可視化することです。続けていると、過去の集積から売上の季節変動や資金繰りが悪化しやすいタイミングの傾向、さらには無駄なコストの有無など、店舗経営の現状を把握できるようになります。
また日々の管理に加え、中長期的な資金繰り表も作成できるとベストです。経営者として目先のキャッシュフローだけでなく、先を見越して計画性を持ち、事前準備を行うことは重要なタスクです。

固定費を下げる努力を

資金繰り改善のために、いかに売上を増やすか、集客数や客単価を増やすか、といった視点は多くの経営者が常日頃考えていることですが、店舗経営にあたっては、コスト削減も重要な切り口となります。特に固定費の多くを占める店舗家賃の値下げ交渉はお勧めです。
最近は成功報酬型で、家賃をはじめとする経費削減のための交渉を代理でおこなってくれる専門業者が増えてきています。「お金の話をするのは苦手」という場合は、検討してみるといいかもしれません。

外部からの資金調達を検討

資金調達に話を戻しましょう。
協力金・給付金・補助金・助成金を活用しても資金が不足するような場合、まず考えるべきは銀行融資です。

今後の資金繰り計画の中で考えられる運転資金不足や、厨房設備の入れ替え・新店舗オープンなどの設備資金ニーズなどに対し、比較的多額かつ低金利で調達することが可能です。

店舗経営に余裕がある時は、将来必要とする時に融資を受けやすい状況を作るためにも、少額で融資を受け返済実績を作っておくと良いでしょう。しかし、審査などに時間がかかることから、緊急時には資金を調達しづらいデメリットがあります。

緊急時の資金調達方法としてビジネスローンという選択肢もありますが金利が高く、そもそも信用情報に影響が出る可能性も否めません。

そこで、クレディセゾンのビジネスファンディングによる資金調達の検討をお勧めします。

クレディセゾンのビジネスファンディングとは?

クレディセゾンのビジネスファンディングとは?

ビジネスファンディングとはビジネスローンなどの借り入れとは異なり、
クレディセゾン(または包括事業者様)が加盟店様の将来のクレジットカード売上金(債権)を買い取り、資金提供するサービスです。加盟店様は未来の売上金を今すぐ現金化できるため、他の資金調達手法よりも資金を確保しやすいという特長があります。また、毎月のクレジットカード売上金から一定率(譲渡比率)を差し引くことで精算されるため、加盟店様の繁閑に合わせて活用できます。

ビジネスファンディングは、「借入」ではないので信用情報に影響が出ず、有利子負債にもなりません。「緊急で現金が必要だけど、ここさえ乗り越えれば経営を立て直せる」という場合などの急な資金ニーズに有効です。ビジネスファンディングで少額の資金提供を受けて、事業を立て直した後の高額融資は銀行で受けるのがいいでしょう。

クレディセゾンのビジネスファンディングについてはコチラで詳しく解説しています。

取材協力・いぶき総合会計事務所

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