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【早見表】年収1,000万円の厚生年金受給額は?仕組みや計算方法をわかりやすく解説

年収1,000万円は高収入の階級に入りますが、年収が一定以上になると公的年金受給額には実は大きな差がありません。なぜなら、公的年金の受給額を決定する標準報酬月額に上限があるからです。

そのため、高収入で多くの税金と社会保険料を負担していれば、年金だけで老後生活が送れると考えている方は注意が必要です。老後を安心して迎えるためには、年金制度を理解し、自身の年金受給予定額を把握したうえで適切な対策をしていくことが大切です。

本記事では、年収1,000万円の方が厚生年金でどのくらいの受給額があるのかをシミュレーションに基づいてわかりやすく解説します。年金を増やす方法も紹介しているので、年金を増やしたい方もぜひ参考にしてください。

年収1,000万円の年金受給額はいくら?

年収1,000万円の人の場合、年金受給額はいくらになるのでしょうか。一般的に65歳から受給開始した場合と、繰り下げて70歳から受給開始した場合、それぞれ見ていきましょう。

65歳から受給開始した場合

年収1,000万円で年金保険料を全期間納付し、65歳から受給を開始した場合の年金額の目安(概算)は、以下のとおりです。

月額年額
国民年金 (老齢基礎年金)69,308831,700
厚生年金 (老齢厚生年金)166,9922,003,900
合計236,3002,835,600
  • 平均標準報酬月額・平均標準報酬額を65万円とします。
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

【豆知識】総報酬制の導入前・後でどうして計算式が違うの?
2003年4月以降の厚生年金保険料では、月給だけでなくボーナスからも徴収される「総報酬制」が導入されたため、制度変更の前後で計算式が異なります。これに伴い給付金額も加入時期に応じて決定されることになりました。
厚生年金は、40年以上加入した場合も平均標準報酬額が反映され、年金受給額が増加します。

70歳から受給開始した場合

年収1,000万円で年金保険料を全期間納付し、70歳から受給開始した場合の年金額の目安(概算)は、以下のとおりです。

月額年額
国民年金 (老齢基礎年金)98,4171,181,014
厚生年金 (老齢厚生年金)237,1292,845,538
合計335,5464,026,552
  • 平均標準報酬月額・平均標準報酬額を65万円とします。
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

70歳からの年金受給は一般的な受給年齢65歳と比較して5年間の繰り下げ受給となり、老齢基礎年金・老齢厚生年金それぞれに増額率が適用されます。繰り下げ受給の増額率は1月繰り下げるごとに0.7%の増額 となるため受給開始年齢によって異なり、700ヵ月の場合の増額率は42.0%(0.7%×5年×12ヵ月)です。

繰り上げ受給をすることで、65歳から受給開始した場合よりも年金受給額は多くなることがわかります。

年金の仕組み

年金には、20歳以上のすべての人に加入が義務付けられている「公的年金」と、任意加入の「私的年金」があり、下図のように3階建ての構造になっています。

公的年金は1階と2階部分にあたり、国民年金の上に厚生年金が積み上がっている仕組みです。私的年金は公的年金に上乗せする形となり、3階部分に該当します。

私的年金は公的年金を補うことを目的としており、企業型には確定給付企業年金と確定拠出年金の2種類があります。確定給付企業年金は将来受け取る給付額が確定している一方で、確定拠出年金は掛金が確定しており、運用結果によって将来の受給額が決まります。

企業年金のない自営業者や専業主婦(主夫)は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することで、公的年金に上乗せすることができます。

国民年金

国民年金は、一定額の保険料を納めることにより、老齢になったときに受給できる老齢基礎年金を受け取れます。また、事故や病気で障害を負ったり、子どもを残して死亡したりするリスクに対応できる公的年金制度です。

国民年金の主な加入対象は、日本に住む20歳以上60歳未満の人です。厚生年金や共済組合に加入している会社員・公務員やその配偶者は、国民年金の保険料を直接納めることはありません。

国民年金保険料の金額は毎年変わり、令和7年度は1ヵ月あたり17,510円です。老齢基礎年金の受給金額は賃金や物価の変動に応じて毎年4月に改定されます。

なお、国民年金保険料は前払い(前納)が可能です。国民年金保険料をまとめて前払いする場合、割引が適用されるためお得になります。

【令和5年度の老齢基礎年金(満額)】
月額年額
67歳以下 (昭和3142日以後生まれ)69,308831,700
68歳以上 (昭和3141日以前生まれ)69,108829,300
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

出典:日本年金機構

20歳から60歳までの間に滞納や免除期間がなければ、老齢基礎年金は受給額の満額を受け取れます。

厚生年金

厚生年金は、国民年金と並ぶ公的年金制度のひとつです。70歳未満の会社員・公務員などが加入し、保険料は雇用主と労働者が折半して納めます。加入にあたっては、正社員に限らず、アルバイトやパートタイマーであっても、以下の要件を満たす場合には厚生年金の加入対象となります(従業員数51人以上の事業所等が対象)。

【厚生年金の加入対象条件】
 ✓ 週の所定労働時間が20時間以上
 ✓ 所定内賃金が月額8.8万円以上
 ✓ 2ヵ月を超える雇用の見込みがある
 ✓ 学生ではない

厚生年金の保険料は、4月から6月の標準報酬月額によって決定されるため、収入に応じて納付額が異なります。また、厚生年金は標準報酬月額および標準賞与額に上限が設定されているため、当該上限に達した場合、それ以上収入が増加しても保険料および将来の年金給付額には反映されません。

厚生年金を納付していて一定以上の収入がある場合は、3階部分の私的年金を活用するのがおすすめです。私的年金は自身のペースで積み立てができるだけでなく、受取方法を選択できるタイプもあります。私的年金の種類や特徴は後述します。

【豆知識】
国民年金は、原則として20歳から60歳までの40年(480ヵ月)が保険料を納める期間の上限とされており、この期間を超えて年金額が増えることはありません。なお、未納期間がある場合には、60歳以降に任意で加入し、将来の年金額を補うことも可能です。
一方、厚生年金は厚生年金保険適用事業所に勤め、厚生年金保険に加入することでお支払いが開始されます。
つまり、厚生年金は年齢で一律に決まる制度ではなく、会社での働き方に応じて加入します。そのため、実際には中学校卒業後(おおむね16歳以降)から加入が始まるケースが一般的です。また、会社に勤めていても70歳になると、厚生年金保険の加入資格を失います。

年金受給額の計算方法

国民年金と厚生年金では、年金受給額の計算方法が異なります。それぞれ詳しく説明します。

国民年金の計算方法

国民年金の受給額は「831,700円()×(保険料納付済月数 + 免除月数)÷480ヵ月」で計算され、収入などによる差はありません。

ただし、国民年金には経済的に困難な場合に保険料の納付が免除される制度があります。制度を利用した場合、保険料納付済月数にそれぞれ以下を加えて計算します。

  • 全額免除月数×8分の4
  • 4分の1納付月数×8分の5
  • 半額納付月数×8分の6
  • 4分の3納付月数×8分の7

例えば、20歳から60歳まですべての保険料を納付した場合と、10年間の未納期間がある場合、10年間全額免除期間がある場合の国民年金受給額は以下のとおりです。

納付期間計算式受給額
40年間831,700円×480ヵ月÷480ヵ月831,700
30年間(10年間未納)831,700円×360ヵ月÷480ヵ月623,775
30年間(10年間全額免除)831,700円×(360ヵ月+60ヵ月)÷480ヵ月727,738
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。

注目すべきは、保険料が未納の場合と免除制度を活用した場合の違いです。免除申請をした場合、一定の月数が納付期間として計算されるため、無申請で保険料を納めないより受給額が多くなります。

そのため、保険料のお支払いが厳しい場合は、免除制度を活用できるかどうか確認することをおすすめします。

なお、免除制度を活用した場合は10年以内であれば、あとから保険料を納めることも可能です。

  • 昭和3141日以前生まれ(68歳以上)の方は、829,300円です。

厚生年金の計算方法

厚生年金の受給額は、働いていたときの給料と加入期間に応じて決まります。納付した保険料には国民年金保険料も含まれるため、国民年金と厚生年金の両方を受給できます。

厚生年金は、以下の計算式で受給額を求められます。

A:厚生年金の加入が2003年3月以前
平均標準報酬月額×(7.125÷1000)×2003年3月までの加入月数

B:厚生年金の加入が2003年4月以降
平均標準報酬額×(5.481÷1000)×2003年4月以降の加入月数

(A+B)×年金額改定分=厚生年金の受給額

平均標準報酬額が65万円で厚生年金保険料を40年間払い続けた場合の年金受給額は以下のとおり、年間約200万円です。

A:65万円×(7.125÷1,000)×240ヵ月=111万1,500円

B:65万円×(5.481÷1000)×240ヵ月=85万5,036円

(A+B)×1.019=200万3,900円

  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

ただし、これは厚生年金のみの金額であり、実際に支給される年金には国民年金(老齢基礎年金)分が加わります。令和7年度の老齢基礎年金給付額は年間831,700円のため、年間合計約2835,000円(2003,900円+831,700円)を受け取れます。

【早見表】厚生年金受給額

平均標準報酬年間の年金受給額の目安月間の年金受給額の目安
20万円61.6万円5.1万円
30万円92.4万円7.7万円
40万円123.3万円10.2万円
50万円154.1万円12.8万円
60万円184.9万円15.4万円
65万円200.3万円16.6万円
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

年金受給額は、厚生年金の加入時期や期間によって異なるので、自分の状況にあわせて「ねんきんネット」なのでシミュレーションをすることが大切です。

【ケース別】年金受給額のシミュレーション

年金受給額は家族構成によっても異なります。ここでは、以下3つのケースで年金受給額はいくらになるかをシミュレーションしていきます。

 ✓【単身】年収1,000万円の会社員の場合
 ✓【夫婦】年収1,000万円の会社員と専業主婦の場合
 ✓【夫婦】共働き(年収600万円の夫と年収400万円の妻)の場合

シミュレーション結果はあくまでも試算であり、将来の年金額を保証するものではありません。

【単身】年収1,000万円の会社員の場合

年収1,000万円の単身会社員の年金額の目安(概算)は、以下のとおりです。

国民年金(月額)厚生年金(月額)合計(月額)
単身者
(年収1,000万円)
69,308166,992236,300
  • 平均標準報酬月額・平均標準報酬額を65万円とします。
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

【夫婦】年収1,000万円の会社員と専業主婦の場合

年収1,000万円の会社員と専業主婦の年金額の目安(概算)は、以下のとおりです。

国民年金(月額)厚生年金(月額)合計(月額)

(年収1,000万円)
69,308166,992236,300

(専業主婦)
69,308なし69,308
世帯合計138,616166,992305,608
  • 夫の平均標準報酬月額・平均標準報酬額を65万円とします。
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 妻の国民年金保険料の納付期間を40年とします。
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

【夫婦】共働き(年収600万円の夫と年収400万円の妻)の場合

年収600万円の夫(会社員)と年収400万円の妻(会社員)の共働き夫婦の場合、年金受給額(月額)は以下のとおりです。

国民年金(月額)厚生年金(月額)合計(月額)

(年収600万円)
69,308128,455197,763

(年収約400万円)
69,30884,781154,089
世帯合計138,616213,236351,852
  • 平均標準報酬月額・平均標準報酬額を夫65万円、妻33万円とします。
  • 保険料納付期間は40年とし、総報酬制の導入前・後で計算式が変わることから、20033月以前を240ヵ月、20034月以降を240ヵ月とします。
  • 1円未満の端数は50銭未満を切り捨て、50銭以上1円未満を切り上げとします。
  • 令和74月の年金額改定分1.9%を反映した水準です。

シミュレーション結果を比較すると、年収1,000万円の片働き世帯より、世帯年収1,000万円の共働き世帯のほうが多くの年金を受給できることがわかります。

老後にもらえる厚生年金受給額を増やす方法

会社員や公務員でも年金受給額を増やすことは可能です。予定受給額を見て「受け取れる年金を増やしたい」と考えた方は、以下の方法を検討してみましょう。

 ✓ 60歳以降も働いて厚生年金に加入する
 ✓ 国民年金保険料を納める(未加入の期間がある場合、65歳まで)
 ✓ 国民年金保険料(未加入の期間がある場合、65歳まで)に付加年金保険料を上乗せして納付する

これらの方法以外にも、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する選択肢もあります。iDeCoは自ら選んだ金融商品を運用し、老後に受け取る制度です。年金を増やせるだけでなく、掛金が全額所得控除になるため、所得税や住民税の節税につながるメリットもあります。

働きながら年金を受給することも検討しよう

厚生年金を増やす方法ではありませんが、年金額に不安がある場合は、働きながら年金を受給することも検討しましょう。
令和8年(2026年)4月から在職老齢年金制度が改正され、働く方の年金が減額される基準額が引き上げられます。

  • 令和8年3月まで:51万円/月
  • 令和8年4月から:65万円/月

例えば、月給46万円、老齢厚生年金の受給額が月10万円の場合、令和83月までは給与と老齢厚生年金受給額の合計が51万円を超えた部分(5万円)の半額(25,000円)が支給停止となります。

一方、令和84月からはこの基準額が65万円となるため、老齢厚生年金を満額受給できます。老後も年金の減額を意識せずに働きやすくなるため、より多くの収入を得やすくなるでしょう。

個人事業主が将来もらえる年金を増やすにはどうしたら良い?

個人事業主が年金を増やす方法には、以下の4つがあります。

 ✓ 国民年金の付加年金を納める
 ✓ 国民年金基金に加入する
 ✓ iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する
 ✓ 小規模企業共済に加入する

それぞれの詳細や実施する方法を詳しく見ていきましょう。

国民年金の付加年金を納める

付加年金とは、国民年金保険料に「付加保険料」を追加で納付することで、将来受け取れる年金額を増額できる制度です。
付加年金を支払えるのは、国民年金の加入者(第1号被保険者)と、65歳未満の国民年金任意加入者です。そのため厚生年金加入者は利用できません。
付加年金保険料を毎月400円支払うことで、老齢基礎年金を受給する際に200円×保険料納付月数」を上乗せして受け取れます。

例えば、毎月400円の付加保険料を20年間払う(付加保険料合計96,000円)と、受給できる年金額は1年につき48,000200円×240ヵ月)増えます。
つまり、年金を2年以上受給すると支払った付加保険料を上回る計算になります。

国民年金の付加年金の手続きは、居住する市区町村の役場や年金事務所でできるので、将来の年金受給額を増やしたい方は加入を検討してみましょう。

国民年金基金に加入する

国民年金基金とは、国民年金の第1号被保険者がより多くの年金を受給するための選択肢として設けられた公的年金制度です。国民年金基金は、国民年金に上乗せして保険料を納付でき、老齢基礎年金と合わせて国民年金基金の年金も受け取れるようになります。

国民年金基金の加入対象者は以下のとおりです。

 ✓ 20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者
 ✓ 60歳以上65歳未満の国民年金任意加入被保険者
 ✓ 海外居住者で国民年金の任意加入被保険者

厚生年金や共済組合に加入している方や厚生年金被保険者に扶養されている方、国民年金保険料の免除を受けている方はその間、加入することができません。
国民年金基金に加入する場合は、国民年金基金の公式サイトで資料請求を行い、郵送やWEBで加入を申し出ます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、将来の老後資金を積み立てるための私的年金制度です。加入者が自分で選んだ金融商品に一定の金額を積み立てて資産運用し、老後に年金や一時金として受け取ります。

iDeCoに拠出した金額は所得控除の対象となるので、所得税や住民税の納税額を抑えられるのもうれしいポイントです。

iDeCoに加入するには、まず金融機関や証券会社などでiDeCo専用の口座を開設します。その後、毎月の積立金額や運用する商品などを決定することで運用を開始します。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済は、中小企業者や個人事業主を対象とした退職金積立制度です。小規模企業共済で積み立てた資金は、将来的に年金として受け取ったり、一時金として受け取ったりすることができます。月々の掛金は1,000円~7万円まで500円単位で設定でき、加入後の増額・減額も可能です。

国民年金基金やiDeCoと同様に、掛金の全額が所得控除の対象となるので、節税効果も見込めます。

また、一定の要件の下で年金として受け取る場合は、公的年金等控除の対象となり、一時金として受け取ると退職所得控除の対象となります。

ただし、掛金納付期間が240ヵ月未満で任意解約すると、元本割れする可能性があるので注意が必要です。

一方で、廃業や退職など一定の共済事由に該当し、かつ一定期間以上加入している場合には、掛金総額を上回る形で受け取れる設計となっています。

さらに、貸付制度を利用できる点も小規模企業共済のメリットです。加入手続きは、中小機構が業務委託契約を結んでいる団体または金融機関の窓口で行えます。手続きの方法は取り扱う窓口によって異なるので、中小機構の公式サイトで確認しておきましょう。

小規模企業共済は、自分で運用するわけではなく、掛金の上限額も決まっているため、老後資金を小規模企業共済だけで備えるのは現実的に難しい面があります。

しかし、「老後の年金が心配」だと思われている法人や個人事業主の方も多いでしょう。日銀は「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定めており、今後もさらなる物価の上昇が想定されています。物価があがるとその分お金が多く必要になることは説明するまでもないでしょう。

老後資金に不安を感じている小規模法人や個人事業主の方は、必要に応じて、民間の生命保険(法人契約の保険商品など)に詳しい専門家へ相談してみるのも良いでしょう。

年金受給額に頼りきるのは危険?

年金受給額は社会情勢によって改定が行われます。例えば、令和7年度は「令和6年平均の全国消費者物価指数」を踏まえて、令和6年度から1.9%の引き上げとなっています。

また、令和8年度については、令和7年度から国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなることが発表されています。

近年は受給額の引き上げ傾向にありますが、今後も引き上げられるとは限らないため、将来の受給額が減少する可能性があることも考慮して資産形成を行うことが大切です。

まとめ

国民年金は、保険料を納める際に収入による差がありません。

そのため、今は十分な生活ができていたとしても、老後に備えて早い段階から年金を増やす対策をすることが重要です。

まずは現状の年金受給額を把握したうえで、企業型確定拠出年金やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの私的年金への加入を検討してみましょう。

===監修===
大柴 良史(おおしば よしふみ)
社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。