2022年度 iPS細胞研究基金活動報告
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)では2022年度も寄付募集活動を行うとともに、研究を加速するためにiPS細胞研究基金を活用させていただきました。
皆様からのご寄付は各研究室の研究費や研究支援経費に活用させていただき、2022年度も多くの研究成果をあげることができました。主な成果としては、ヒトのiPS細胞・ES細胞の生存に必要な遺伝子を発見することやiPS細胞から間葉系幹細胞の誘導方法を確立することに成功いたしました。
また、脊髄性筋萎縮症における骨格筋病変の発症メカニズムの一部を解明いたしました。これらの知見が新たな治療法や薬の開発に貢献することが期待されます。
iPS細胞を用いた臨床試験としては、CiRAの研究成果を活用し、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、家族性アルツハイマー病、卵巣がん、 血小板減少症などで実施されています。
このほか、若手研究者の育成、新しい研究室を立ち上げる際のスタートアップ支援、研究所の国際化推進、知的財産の確保・維持等にも寄付金を活用させていただいております。
国からの研究費の多くが期限付きで不安定な中、iPS細胞の実用化に向けて研究を推進し続けられるよう、皆様からのご支援は長期にわたり大切に使わせていただきます。