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個人事業主と法人の違いは?5分で学ぶメリット・デメリット

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フリーランスとして仕事をするうえで、開業時に「個人事業主」と「法人」のどちらを選ぶか悩む方は多いでしょう。

また、事業が拡大するなかで、個人事業から法人化を検討する方もいるかもしれません。では、個人事業主と法人には、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、手続きや税金、社会的信用などの違いを比較し、選ぶ際のポイントを解説します。

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どっちがお得?独立時の選択肢「個人事業主」と「法人」

個人事業主と法人の違いとして、雇用している従業員数や事務所の大きさ、知名度などをイメージする方もいるかもしれませんが、それだけで区別できるものではありません。

個人事業主と法人の違いとは、「設立するための手続き」「国や自治体に収める税金」「社会から受ける信用」です。

また、法人には様々な形態があります。最もよく知られているのは「株式会社」ですが、その他にも営業目的によってさまざまな形態(種類)があり、それぞれ手続き方法や、申請から登記完了までにかかる期間も、数週間から数ヵ月と様々です。

設立後も、納税額を決める所得の課税範囲や、国・自治体から受けられる助成なども法人の種類によって異なるため、事業内容に合わせて適切に選ぶ必要があります。

まず、文字通り営利目的の活動をする営利法人と、営利を目的としない非営利法人の種類をあげてみましょう。

営利法人の主な種類

・株式会社
会社の資金となる株を発行し、そのお金を元に事業を行う法人です。
株主総会を開催することで、株主の意見が会社の経営と利益分配に影響します。創業者や役員以外の人の意見が反映されるなどのオープンな印象からか、社会的な信用は高い傾向があります。

・合同会社・合資会社・合名会社(持株会社)
これらは個人事業主の小規模な事業を法人にする場合などに選択する法人格です。
一般的に、株式会社より設立手続きが比較的簡便で、以下のような特徴があります。

・会社維持のためのコストが低く抑えられる
・規模が小さいため経営に関する意思決定が早く済む
・倒産の際や負債が発生した場合に出資以上の負債を負わなくて済む有限責任社員と、逆に負債をすべて返済する義務がある無限責任社員が必要(合資会社)
・無限責任社員1名から設立できる(合名会社)
など。

非営利法人の主な種類

・NPO法人(特定非営利活動法人)
営利を目的としない、特定の分野、目的のみのために活動する法人。活動内容によって、国や地方自治体からの助成金、支援プログラムなどを受けることができる。

・一般社団法人
300万円以上の寄付による財産を利用する目的で設立、運営される法人

活動内容の違いの他に、設立費用(※1)、税率(※2)が異なります。
(※1 株式会社24万円程度~NPO法人は数千円)
(※2 営利団体は条件同じ、非営利は一部法人税、法人住民税が免除、認定を受けると税制の優遇が受けられる)

その他の法人

その他、学校法人、医療法人、社会福祉法人、農業協同組合、農事組合法人、(マンションなどの)管理組合法人、事業協同組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合、などがあります。
参照:商業・法人登記の申請書様式

「個人事業主」と「法人」の違い(1)手続き

法人の種類によっても、手続きはさまざま

個人事業主の開業届の手続きは、「書類に必要事項を記載して税務署に提出する」だけですが、法人の場合は、形態(種類)によって手続き方法や、申請から登記完了までにかかる期間も、数週間から数ヵ月とさまざまです。設立後も、納税額を決める所得の課税範囲や、国・自治体から受けられる助成なども法人の種類によって異なるため、事業内容に合わせて適切に選ぶ必要があります。

<法人設立の手順(会社登記)>
・法人の種類を選ぶ
・商号(会社名)を決める
所在地の管轄法務局で、同じあるいは類似する商号(会社名)がないかを確認し、商号を決める
・法人としての定款、概要を決める
(商号・社名、所在地、発起人、取締役、取締役と監査役の有無、資本金額、会社の事業年度)
・会社の印鑑を作成する
・役員の報酬を決める
・資本金額(最初に事業用に用意したお金)の払い込み
・登記書類の作成、申請
参照:商業・法人登記の申請手続

<登記完了後、各種行政などへの手続き>
税務署:
法人設立届(法人設立後2ヵ月以内)
青色申告の承認申請書(法人設立後3ヵ月経過、あるいは最初の事業年度終了日のいずれか早い方の前日)
給与支払事務所等の開設届出書(給与支払開始の1ヵ月以内)
源泉所得税の「納期の特例の承認」に関する申請書(特例を受ける月の前月末)

自治体:
法人設立届書(自治体によって届け先、期限が異なります)

年金事務所:(社員がいる場合は加入義務/設立後5日以内)
健康保険・厚生年金保険 新規適用届

労働関係:(雇用者がいる場合/雇用後10日以内)
労働基準監督署
公共職業安定所

これらの登記完了後の手続きには、それぞれ期限があります。
個人事業主の開業届については、以下の記事もあわせてご覧ください。
参考:【副業も出すべき︖】個人事業主の開業届のメリットと出し⽅、⾒落としがちな注意点

「個人事業主」と「法人」の違い(2)税金

個人事業主より法人の方が範囲が広い「経費」

決算によって算出される一年間の所得と納税額。そしてそれらを左右する「経費」。
法人になると、個人事業主よりも経費にできる項目がグッと増えます。
個人事業主の経費項目はそのまま法人にもあてはめることができますが、さらに経営者本人、家族従業員への給料や、生命保険料、住宅賃料(社宅など)、出張費や休日出勤の日当なども経費として計上できます。そのため、個人事業主よりも法人の方が経費計上による節税には有利だと考えられます。

「個人事業主の所得税」か「法人の法人税」

個人事業主が支払うのは、所得に応じて税率が変わる所得税です。
法人には所得税はありませんが、代わりに法人税がかかります。

「住民税」は法人の負担の方が大きい

住民税は納付する自治体によって異なりますが、個人事業主はおおよそ所得の10%+4,000円(※)。法人の場合、法人税額の7%(+最低税額70,000円)です。

法人と個人事業主では算出方法が異なるため、単純に比較することはできません。所得によって選択が変わる目安については、後述します。

(※)2024年度から森林環境税1,000円が合わせて徴収されます。

「事業税」は個人事業主と法人で税率や仕組みが異なる

R所得×3~5%
法人事業税:所得×2.7%~(※)

(※)資本金1億円超の普通法人は固定2.7%ですが、1億円以下の普通法人は所得によって3.5~7.0%と調整されます。

「個人事業主」と「法人」の違い(3)社会的信用

個人事業主でも、開業届を出しているかいないかは大きな違いです。

一時的な事業でも個人事業主は務まりますが、開業届を出して青色申告をするとなると、確定申告のための複式簿記の知識や税金などの経理的な知識が必要です。

毎年のように変わる税制に対応しながら、廃業するまでは毎年申告をしなければいけないので、事業を継続的に行う責任と社会的な信用が発生します。

これが法人になると、設立と登記のハードルはさらに高く複雑です。しかし、法人化のメリットは、事業規模(所得)が大きくないと得られないため、法人には個人事業主よりも事業の安定性が必要になり、法人を維持できていれば社会的信用はさらに得られるようになります。
金融機関からの融資が受けやすくなったり、法人でないと取引ができない企業とも取引が可能になるため、事業の選択肢が増えると考えてよいでしょう。

「個人事業主」と「法人」のメリット・デメリット比較

  個人事業主 法人
形態 特に形態にバリエーションはない。 【営利法人】株式会社、持株会社、【非営利法人】NPO法人、一般社団法人など、さまざまな形態がある。
開業方法 税務署に開業届を申請する。 税務署のほか、地方自治体への届け出が必要。
設立にかかる時間と費用 ほぼ即日、コストはほとんどかからない。本人だけでもできる。 数週間~数ヵ月かかる場合もある。発起人、取締役、株主の募集など、多くの人がかかわる場合もある。
税務 青色確定申告を申請すると、個人事業主控除、専従親族の給与控除、損益を3年間計上できるなどのメリットがある(白色申告でもよい)。所得が高くない場合は、個人事業主の方が税額を抑えられる。 個人事業主の経費項目より、広範囲の経費項目があり、節税に有利。所得が高くなると、法人の方が税金を抑えることができる。
健康保険(※) 国民健康保険 社会保険
年金(※) 国民年金 厚生年金
社会的信用 事業を行ううえでは大きな問題はなし。 法人の規模、業績(決算内容)によって信用を得ることができる。取引先の開拓や、事業拡大のために金融機関から融資を得る際などは、個人事業主より有利。

法人の主なメリット・デメリット

・メリット
経費計上できる範囲が広く、社会的信用も高まりやすい点がメリットです。また、かかる所得税率が法人税率よりも高くなる水準では、法人化した方が税負担を抑えられる場合があります。

・デメリット
設立時に費用や手間がかかるほか、法人住民税は赤字でも負担が発生します。さらに、事務手続きや経理業務が増えやすい点にも注意が必要です。

個人事業主の主なメリット・デメリット

・メリット
開業の手続きが比較的簡単で、初期費用も抑えやすい点がメリットです。また、一定の所得までは、個人事業主の方が税負担を抑えられる場合があります。

・デメリット
法人に比べると経費計上できる範囲が狭く、社会的信用の面で不利になる場合があります。事業拡大や資金調達の場面では、法人の方が有利になることもあります。

法人化を検討するタイミングとは?

以上のように、法人化(法人成り)にはデメリット「開設には費用負担があり、手続きが煩雑」もありますが、一般的には継続的に事業を行ううえでのメリット「税負の軽減」「社会的信用」の方が重要です。事業の成長を望むなら、タイミングに合わせて法人化を選ぶべきでしょう。

では、具体的にはどのようなタイミングで法人化(法人成り)すれば良いでしょうか。

法人成りのポイントは、税率が上がる所得金額の境目

課税所得金額 税率 控除額(税額控除額)
所得税(個人事業主)    
195万円未満 5% 0円
195万円以上〜330万円未満 10% 97,500円
330万円以上〜695万円未満 20% 427,500円
695万円以上〜900万円未満 23% 636,000円
900万円以上〜1,800万円未満 33% 1,536,000円
1,800万円以上〜4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円
法人税(法人)    
800万円以下 19%(※)  
800万円超〜 23.2%  

(※)資本金1億円以下の中小法人は15%。令和7年4月1日以後に開始する事業年度において、所得金額が年10億円を超える事業年度については、年800万円以下の部分に適用される税率は17%。

個人事業主の売上には「所得税」、法人の売上には「法人税」の納税義務が課せられます。

「所得税」は、課税所得金額が増えると税率が高くなります。(累進課税制度)
これに対し、「法人税」は、800万円を超えると税率が高くなります。

また、個人事業主の所得税には、青色申告控除65万円と、基礎控除38万円が所得から差し引かれます。さらに、控除後の所得額に税率をかけた税額から税額控除が差し引かれます。

所得額が330万円超~800万円までの場合、それぞれの税率は、

個人事業主:20%か23%
法人:19%

個人事業主は、「(所得額-青色申告控除65万円-基礎控除38万円)x税率20%か23% =税額-控除額427,500円」の計算式になり、結果的に個人事業主の方が税額が低くなるでしょう。

一般的には、個人事業主の税率が上がる330万円、900万円を目安とする意見もあるようですが、法人になると控除ができる給与控除や、住民税、消費税の納税義務などによっても変わってきます。

そのため、これらの目安の金額が見えてきたら、一度プロの税理士などに相談するとよいでしょう。

法人化の注意点

では、個人事業主から法人化するにあたって注意すべきこととは、どのようなことでしょうか。

・法人住民税は、赤字でも支払う義務がある。
・雇用する従業員がいる場合は社会保険の加入が必須なため、給与と保険料を合わせた人件費の負担が大きい。
・経理作業、事務手続きなどの業務が増える。

これらだけでなく、雇用者の生活を預かり社会に資金を循環させていくことは、経営者としての信用と併せて責任も増えることになります。しかし、その分だけ事業規模を拡大することができれば、さらに従業員を増やし効率化することも可能です。
将来を見据えた選択をするようにしていきましょう。

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よくある質問

Q1 個人事業主と法人の違いは?

個人事業主と法人の違いは、「設立するための手続き」「国や自治体に収める税金」「社会から受ける信用」になります。

Q2 法人化するデメリットは?

法人化には「設立には費用負担があり、手続きが煩雑」などのデメリットがあります。

Q3 法人化の注意点は?

法人化するにあたって注意すべきこととして、「法人住民税は赤字でも支払う義務があること」「雇用する従業員がいる場合は社会保険の加入が必須となり、給与と保険料を合わせた人件費の負担が大きくなること」「経理作業や事務手続きなどの業務が増えること」などが挙げられます。

まとめ

個人事業主と法人の違いは、主に「手続き」「税金」「社会的信用」にあります。開業や維持のしやすさを重視するなら個人事業主、事業拡大や信用力、経費計上の幅を重視するなら法人が選択肢となるでしょう。

また、どちらを選ぶ場合でも、日々の経費管理や会計処理を効率化する工夫は重要です。経費管理をスムーズに進めたい方は、クラウドサービスとあわせてビジネスカードの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

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